保健所の精神保健福祉業務担当保健師が能力の不足感を抱える業務内容 : 職場や関係者等から求められている業務として認識する程度と遂行能力の自己評価の差から

目的:精神保健福祉業務担当保健師が,職場や関係者等から求められている業務として認識する程度と,遂行能力の自己評価の差から,保健師が能力の不足感を抱える業務内容を把握する.方法:全国の都道府県型保健所の精神保健福祉業務担当の保健師442人に質問紙を配布した.精神保健福祉業務内容48項目ごとに,職場や関係者等から求められている業務として認識する程度とそれに対する保健師の遂行能力の自己評価の差を能力の不足感と操作的に定義し,ウィルコクスンの符号付き順位検定を行った.結果:142人から回答を得て140人を分析対象とした。31項目に有意な差があり,保健師が能力の不足感を抱える業務内容には,管内の精神保健...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 18; no. 1; pp. 110 - 117
Main Authors 池上, 由美子, 後閑, 容子, 石原, 多佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 31.08.2015
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Summary:目的:精神保健福祉業務担当保健師が,職場や関係者等から求められている業務として認識する程度と,遂行能力の自己評価の差から,保健師が能力の不足感を抱える業務内容を把握する.方法:全国の都道府県型保健所の精神保健福祉業務担当の保健師442人に質問紙を配布した.精神保健福祉業務内容48項目ごとに,職場や関係者等から求められている業務として認識する程度とそれに対する保健師の遂行能力の自己評価の差を能力の不足感と操作的に定義し,ウィルコクスンの符号付き順位検定を行った.結果:142人から回答を得て140人を分析対象とした。31項目に有意な差があり,保健師が能力の不足感を抱える業務内容には,管内の精神保健福祉の実態把握,自殺やうつ,近隣の迷惑行為等の相談,措置入院関係の通報等への対応,訪問指導では突発的な緊急事態発生時の入院や支援の対応等があった.考察:保健師の精神保健福祉業務の専門能力を発展させるために,継続的な専門知識や技術習得の支援ができる研修体制が必要と思われる.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.18.1_110