MEGハイパースキャニングによる音楽的コミュニケーション時の脳活動計測-役割による認知負荷の差異
【背景と目的】コミュニケーションは日常生活に不可欠である。複数人での即興演奏はコミュニケーションツールの一形態であると言うことができ、本研究では2人で交互に即興演奏している際の脳活動をMEGハイパースキャニング(2台の脳磁計を同時計測可能にしたシステム)を用いて計測することで、コミュニケーションの神経基盤を明らかにすることを目的とした。【方法】右利きの健常音楽経験者10組の脳磁場を解析対象とした。参加者はリーダーとフォロワーの役割を交互に与えられ、一連のコミュニケーションを1)フォロワーがリーダーの弾いたリズムを模倣するコピー2)自由な形式で表現する即興という2つの条件で行った。それぞれのやり...
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Published in | 生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 340 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2021
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual59.340 |
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Summary: | 【背景と目的】コミュニケーションは日常生活に不可欠である。複数人での即興演奏はコミュニケーションツールの一形態であると言うことができ、本研究では2人で交互に即興演奏している際の脳活動をMEGハイパースキャニング(2台の脳磁計を同時計測可能にしたシステム)を用いて計測することで、コミュニケーションの神経基盤を明らかにすることを目的とした。【方法】右利きの健常音楽経験者10組の脳磁場を解析対象とした。参加者はリーダーとフォロワーの役割を交互に与えられ、一連のコミュニケーションを1)フォロワーがリーダーの弾いたリズムを模倣するコピー2)自由な形式で表現する即興という2つの条件で行った。それぞれのやり取り前の思考中のα波(8-13Hz)振幅を対象とし、2つの役割(リーダー/フォロワー)と2つの条件(コピー/即興)の皮質活動の違いを解析した。【結果と考察】条件の違いに関わらず、リーダーよりもフォロワーの方が外側後頭皮質を含む後頭部でα波振幅が有意に大きかった(p<0.001)。フォロワーが役割を認識し、リーダーのメロディに対応した返事をしなければならないという要求に対する認知負荷を反映するものと考えられる。このことから、コミュニケーション時の役割の認識に関与する脳機能の存在が示唆された。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual59.340 |