既存人工心肺シミュレータを活用した人工心肺教育システムの検討

これまでに人工心肺シミュレータやトラブル発生装置が開発されてきたが、操作・トラブル対応を定量的に評価しトレーニングを実施するシステムは未だ開発されていない。そこで、既存人工心肺シミュレータを活用した定量的な評価・指導を行える人工心肺操作教育システムを試作し、その教育効果について検討した。本システムは、JMS社製人工心肺シミュレータPITのシミュレーション回路内に組込みトラブルを発生させるトラブル発生装置、シミュレーションにより得られるデータから操作を評価し、最適なトレーニングを提示するシミュレーション結果処理、動画により操作指示を行う操作トレーニングから構成した。本学在籍学生12名を無作為に6...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 429
Main Authors 佐藤, 航大, 山崎, 清之, 大島, 浩, 檮木, 智彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.429

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Summary:これまでに人工心肺シミュレータやトラブル発生装置が開発されてきたが、操作・トラブル対応を定量的に評価しトレーニングを実施するシステムは未だ開発されていない。そこで、既存人工心肺シミュレータを活用した定量的な評価・指導を行える人工心肺操作教育システムを試作し、その教育効果について検討した。本システムは、JMS社製人工心肺シミュレータPITのシミュレーション回路内に組込みトラブルを発生させるトラブル発生装置、シミュレーションにより得られるデータから操作を評価し、最適なトレーニングを提示するシミュレーション結果処理、動画により操作指示を行う操作トレーニングから構成した。本学在籍学生12名を無作為に6名ずつのグループに分け、グループ毎に異なる順序で操作と評価提示・トレーニングを実施し、本教育システムの利用によって評価数値が改善されるか検証を行った。検証により得られたシステム利用時の評価変化と、システム非利用時の評価変化を比較した結果、システム利用時に評価数値が一部改善されたが、有意差は認められなかった。また、ポンプスタート直後にリザーバレベルが大幅に上昇する傾向がみられた。この大幅な上昇が評価数値に影響を及ぼし、教育効果を正確に測定できなかったと考える。今後は、より大きなサンプルサイズでの検証や、ポンプスタートから安定した操作を行えるよう、トレーニングの内容を精査する必要がある。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.429