腎腫瘍核出術におけるマイクロ波組織凝固装置の使用経験

画像診断法の進歩や検診の普及により, 偶発小腎腫瘍が増加している. 最近これらの偶発小腎腫瘍に対し, マイクロ波組織凝固装置(マイクロターゼ)R))を利用した腎温存手術が行われるようになってきている1-3). 今回我々は2例の偶発腎腫瘍に対し, マイクロターゼ(R)を使用した腫瘍核出術を経験したので, 若干の文献的考察も加え報告する. また, マイクロターゼ(R)を使用せずに施行した腫瘍核出術10症例との比較検討も行った. 対象症例は, 当科において1998年1~2月までに腫瘍径4cm以下の腎腫瘍と診断され, マイクロターゼ(R)を用いて腫瘍核出術を施行した2例である. 手術は直視下にて腫瘍を...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 21; pp. 129 - 132
Main Authors 今西, 正昭, 林, 泰司, 小池, 浩之, 門脇, 照雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2003
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.21.129

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Summary:画像診断法の進歩や検診の普及により, 偶発小腎腫瘍が増加している. 最近これらの偶発小腎腫瘍に対し, マイクロ波組織凝固装置(マイクロターゼ)R))を利用した腎温存手術が行われるようになってきている1-3). 今回我々は2例の偶発腎腫瘍に対し, マイクロターゼ(R)を使用した腫瘍核出術を経験したので, 若干の文献的考察も加え報告する. また, マイクロターゼ(R)を使用せずに施行した腫瘍核出術10症例との比較検討も行った. 対象症例は, 当科において1998年1~2月までに腫瘍径4cm以下の腎腫瘍と診断され, マイクロターゼ(R)を用いて腫瘍核出術を施行した2例である. 手術は直視下にて腫瘍を確認し腎被膜を露出した後, 腫瘍境界から約1cm外側の正常組織にマイクロターゼ(R)の針電極を刺入した. 出力65W30秒の凝固と15秒の解離を行い, これを全周性に約20ヵ所施行した後, 凝固部位を切開して腫瘍を切除した. マイクロターゼ(R)の有用性を検討するために比較した症例は, 当科において1993年1月~2002年4月までにマイクロターゼ(R)を用いずに腫瘍核出術を施行した10症例である. 1. 症例1 63歳, 男性. 高血圧症で当院内科通院中に, 偶然腹部CTにて左腎に腫瘤を認め当科紹介となる. 精査にて左腎腫瘍と診断した. 身体所見や血液生化学所見に異常を認めなかった.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.21.129