歯肉炎予防プログラムに参加した中学生における歯周組織の評価

本研究の目的は,1993年度から歯肉炎予防プログラムに参加した中学生の歯周組織の状況を評価することである。予防プログラムの内容は,CPI(Community Periodontal Index)の診査結果に基づき,最高コード2以上の生徒に対する歯科医院への受診勧告,1年生に対する歯磨き指導を中心とした歯科保健教育である。対象は,歯肉炎予防プログラムをスタートした1993年度に中学校に入学した1年生で,3年生まで追跡調査を行うことができた111名(男子;58名,女子53名)である。CPI診査結果の経年推移をみると,最高コードの分布には有意差はなかったが,CPIコード別有病分画数については,1年生...

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Published inJOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 50; no. 2; pp. 264 - 271
Main Authors 小林, 秀人, 八木, 稔, 高徳, 幸男, 安藤, 雄一, 宮崎, 秀夫, 矢野, 正敏, 八木, 文子, 西田, 康文, 峯田, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 口腔衛生学会 2000
Japanese Society for Oral Health
Subjects
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ISSN0023-2831
2189-7379
DOI10.5834/jdh.50.2_264

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Summary:本研究の目的は,1993年度から歯肉炎予防プログラムに参加した中学生の歯周組織の状況を評価することである。予防プログラムの内容は,CPI(Community Periodontal Index)の診査結果に基づき,最高コード2以上の生徒に対する歯科医院への受診勧告,1年生に対する歯磨き指導を中心とした歯科保健教育である。対象は,歯肉炎予防プログラムをスタートした1993年度に中学校に入学した1年生で,3年生まで追跡調査を行うことができた111名(男子;58名,女子53名)である。CPI診査結果の経年推移をみると,最高コードの分布には有意差はなかったが,CPIコード別有病分画数については,1年生と2年生の時点に比べて,3年生の時点では,コード0(健全)の分画数が有意に増加したこと,および出血分画数が有意に減少したことが確認された。また,3年生の状況をベースライン時の1993年度の3年生の状況と比較した結果,コード2(歯石)やコード3(ポケット4〜5mm)といった,より重症のコードをもつ生徒の割合や,より重症の分画数および出血分画数が,ベースライン時に比べて有意に少ないことも確認された。以上の結果より,歯肉炎予防プログラムに参加した3年生の歯肉炎有病状況には,一定の改善傾向が得られたと考えた。
ISSN:0023-2831
2189-7379
DOI:10.5834/jdh.50.2_264