難病自助グループの育成に関わる保健師のケアの特徴
本研究は,難病自助グループの育成に関わる保健師のケアとその特徴を明らかにすることを目的とした.保健師が支援を行っている難病自助グループの代表者15名を対象として,グループの発展過程と保健師の関わりについて半構成的面接を行った.データは質的帰納的研究方法により継続比較分析を行った.グループの発展過程には準備期,基盤形成期,主体的活動期があり,それに伴い対象と保健師の関係は依存-被依存の関係から,協働の関係,そして相互活用の関係へと変化していた.ケア内容として「仲間づくりのニーズをもつ人々を発見する」「主体的な健康管理を促す」「ストレスの軽減を図る」「日常生活に楽しみをもたらす」「グループへの主体...
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Published in | 日本地域看護学会誌 Vol. 5; no. 1; pp. 7 - 13 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本地域看護学会
2002
Japan Academy of Community Health Nursing |
Subjects | |
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ISSN | 1346-9657 2432-0803 |
DOI | 10.20746/jachn.5.1_7 |
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Summary: | 本研究は,難病自助グループの育成に関わる保健師のケアとその特徴を明らかにすることを目的とした.保健師が支援を行っている難病自助グループの代表者15名を対象として,グループの発展過程と保健師の関わりについて半構成的面接を行った.データは質的帰納的研究方法により継続比較分析を行った.グループの発展過程には準備期,基盤形成期,主体的活動期があり,それに伴い対象と保健師の関係は依存-被依存の関係から,協働の関係,そして相互活用の関係へと変化していた.ケア内容として「仲間づくりのニーズをもつ人々を発見する」「主体的な健康管理を促す」「ストレスの軽減を図る」「日常生活に楽しみをもたらす」「グループへの主体的な参加を促す」「グループの基盤形成・存続をサポートする」「社会資源との結びつきを助ける」「難病体験者としての能力を活用する」「グループをケアシステムに位置づける」の9項目が抽出された.保健師は保健医療の専門職として難病をもつ人々の健康管理を行うとともに,一般的,日常的な方法を用いて生活の質を高めるケアを行っていること,また個人やグループの能力形成と同時に地域のエンパワメントを目指したケアを行っていることが特徴として明らかになった. |
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ISSN: | 1346-9657 2432-0803 |
DOI: | 10.20746/jachn.5.1_7 |