在宅寝たきり高齢者のADL低下予防のためのケアプログラムの効果に関する研究 : 1年半後の転帰とADLの推移
本研究の目的は,地域(在宅)の寝たきり高齢者に対する一方策の確立に向けて,在宅寝たきり高齢者82名を対象(介入群41名;対照群41名)として1年半にわたり実施した,座位耐性訓練を中心とするプログラムの効果を,高齢者の転帰ならびにADLの側面から検討することである.研究方法は介入研究であり,介入群に対してはプログラムを実施し,対照群に対しては標準的な訪問指導を実施しで,両群の経過を比較,検討した.その結果,1)介入群と対照群における1年半後の転帰では,生命予後については有意差を認めなかったものの,生存者の転帰については介入群では,対照群に比して在宅継続の割合が有意に高いことが示された.2)介入群...
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Published in | 日本地域看護学会誌 Vol. 3; no. 1; pp. 52 - 58 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本地域看護学会
2001
Japan Academy of Community Health Nursing |
Subjects | |
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ISSN | 1346-9657 2432-0803 |
DOI | 10.20746/jachn.3.1_52 |
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Summary: | 本研究の目的は,地域(在宅)の寝たきり高齢者に対する一方策の確立に向けて,在宅寝たきり高齢者82名を対象(介入群41名;対照群41名)として1年半にわたり実施した,座位耐性訓練を中心とするプログラムの効果を,高齢者の転帰ならびにADLの側面から検討することである.研究方法は介入研究であり,介入群に対してはプログラムを実施し,対照群に対しては標準的な訪問指導を実施しで,両群の経過を比較,検討した.その結果,1)介入群と対照群における1年半後の転帰では,生命予後については有意差を認めなかったものの,生存者の転帰については介入群では,対照群に比して在宅継続の割合が有意に高いことが示された.2)介入群での1年半後のADLおよび非臥床時間では,ベースラインに比して,セルフケア動作を中心としたADL領域および非臥床時間の維持,拡大効果が認められた.一方,トイレ動作,排泄コントロール,移乗動作の領域では,低下の可能性も示唆された.以上より,在宅の寝たきり高齢者に対する座位耐性訓練を中心としたプログラムは,継続的かつ組織的な介入により,1年半後のセルフケア動作を中心としたADLおよび非臥床時間の維持,改善に対し有効であり,在宅生活の維持に寄与することが示唆された. |
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ISSN: | 1346-9657 2432-0803 |
DOI: | 10.20746/jachn.3.1_52 |