9, 3-Diacetylmidecamycinの妊娠ラットにおける胎仔移行および連続投与における体内動態

9, 3-Diacetylmidecamycin1) (以下, MOMと略称する, Fig.1) は16員環マクロライド抗生物質Midecamycin2) (以下, MDMと略称する, Fig.1) のエステル型誘導体で, in vitro活性が母抗生物質MDMとほぼ同等であるにもかかわらず, in yivo活性, すなわち, マウスによる実験的感染治療実験では, MDMよりはるかにすぐれた有効性を示し3), 毒性試験においては特筆すべき毒性を示さず, より有用な新マクロライド剤として注目されている。MOMは生体内で数種の代謝物にかわるが, そのいくつかは単独投与によつても親物質MDMと同等な...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 35; no. 3; pp. 761 - 765
Main Authors 染谷, 佐和子, 庄村, 知子, 村田, 信二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 01.03.1982
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Summary:9, 3-Diacetylmidecamycin1) (以下, MOMと略称する, Fig.1) は16員環マクロライド抗生物質Midecamycin2) (以下, MDMと略称する, Fig.1) のエステル型誘導体で, in vitro活性が母抗生物質MDMとほぼ同等であるにもかかわらず, in yivo活性, すなわち, マウスによる実験的感染治療実験では, MDMよりはるかにすぐれた有効性を示し3), 毒性試験においては特筆すべき毒性を示さず, より有用な新マクロライド剤として注目されている。MOMは生体内で数種の代謝物にかわるが, そのいくつかは単独投与によつても親物質MDMと同等ないしはそれを凌ぐほどの有効性を示した。ラットを用いた詳細な報告によれば, MOMは組織移行性が高く, その結果, 体内推移時間の延長をきたし, おそらくその点が, MOMのin vivo活性に最も大きく関係しているものと推察されている4, 5)。このようにMOMは組織移行性が高く, 持続性製剤であるため, 毒性が懸念されるところであるが, 前にも述べたように, MOMは特筆すべき毒性は持つていない。ここでは, MOMの妊娠ラットにおける胎仔移行と連続投与における臓器への蓄積性について検討したので報告する。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.35.761