荷電化粒子検出器を用いた高速液体クロマトグラフィーによる17β-エストラジオール試薬中の微量成分の定量

荷電化粒子検出器(CAD)は近年,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において新たな検出器として注目され,これを用いた新たな定量法が検討されている.本研究では17β-Estradiol試薬中の不純物を定量するためにCADを用いた分析法について検討した.CADは過剰の粒子が導入されるとベースラインノイズが大きくなるために,主成分である17β-Estradiolをスイッチングバルブで除去して検出器へ導入しないようにする工夫を行った.17β-Estradiol試薬中に含まれる不純物は純度が評価されている17β-Estradiol(USP製)を用いて作成した検量線から定量した.CADを用いて評価した...

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Published in分析化学 Vol. 59; no. 3; pp. 219 - 224
Main Authors 山崎, 太一, 井原, 俊英, 中村, 哲枝, 加藤, 健次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2010
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Summary:荷電化粒子検出器(CAD)は近年,高速液体クロマトグラフィー(HPLC)において新たな検出器として注目され,これを用いた新たな定量法が検討されている.本研究では17β-Estradiol試薬中の不純物を定量するためにCADを用いた分析法について検討した.CADは過剰の粒子が導入されるとベースラインノイズが大きくなるために,主成分である17β-Estradiolをスイッチングバルブで除去して検出器へ導入しないようにする工夫を行った.17β-Estradiol試薬中に含まれる不純物は純度が評価されている17β-Estradiol(USP製)を用いて作成した検量線から定量した.CADを用いて評価した不純物の定量値はそれぞれの不純物の標準品から得られた参照値と比較して,測定の不確かさの範囲内でほぼ一致することが確認できた.この結果からCADは各不純物の標準品を用いることなく,試料中の不純物の定量分析に適応可能であることが示唆される.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.59.219