中高年者における各種間接法による最大酸素摂取量推定値の妥当性
日本人中高年者に対して適正な運動を処方するとき, 最もその基盤となる最大酸素摂取量(VO2max) を推定することが非常に重要である. そこで中高年の鍛練男子 (平均年齢55±8.5歳) 21名と一般女子 (平均年齢46±5.9歳) 13名を対象に, 自転車エルゴメータを用いてVO2maxを実測するとともに, VO2max推定のための既存の各種間接法並びに今回著者が新しく作成した重回帰分析を用いた推定式の妥当性について検討した. 1) ある一つの最大下作業時の状況からVO2maxを推定する際, 既存の Åstrand-Ryhming, Döbeln らと Siconolfi らの三者の年齢全般...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 21; no. 2; pp. 124 - 132 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
01.03.1984
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Summary: | 日本人中高年者に対して適正な運動を処方するとき, 最もその基盤となる最大酸素摂取量(VO2max) を推定することが非常に重要である. そこで中高年の鍛練男子 (平均年齢55±8.5歳) 21名と一般女子 (平均年齢46±5.9歳) 13名を対象に, 自転車エルゴメータを用いてVO2maxを実測するとともに, VO2max推定のための既存の各種間接法並びに今回著者が新しく作成した重回帰分析を用いた推定式の妥当性について検討した. 1) ある一つの最大下作業時の状況からVO2maxを推定する際, 既存の Åstrand-Ryhming, Döbeln らと Siconolfi らの三者の年齢全般用の推定法の比較において, Siconolfi らの方法が各心拍数レベルともに推定誤差率 (%) の標準偏差が小さく, 特に心拍数 (HR) 131-140拍/分レベルでの推定の結果がよかった. 2) Maritz らと Margaria らの方法を用い, 2~4つの最大下作業よりVO2maxを推定する場合, 集団あるいは個人のHRmax推定に問題はあるが, Maritz らの方法がよいことがわかった. 3) われわれは鍛練中高年男子のVO2max測定データをもとにVO2max推定のための重回帰式を求め, 一般中高年女子に適用したが, HR 131~140拍/分と151~169拍/分レベルで良い推定値が得られた.その時の重回帰分析による推定式および推定誤差率 (%) の平均値±標準偏差と相関係数 (r) を以下に示す. HR131~140拍/分レベル: VO2max(1/min)=0.7505+0.1263・VO2/HR (推定誤差率 (%)=6.2±4.5, r=0.681) HR 151~169拍/分レベル: VO2max(1/min)=0.4511-2.3967・VO2+0.5309・VO2/HR (推定誤差率 (%)=4.0±9.1, r=0.493) さらに鍛練男子と一般女子の両群を併せた場合の前述の2つのHRレベルにおける推定誤差率 (%) と相関係数は, それぞれ3.8±8.5%, r=0.899と2.7±8.9%, r=0.886であった. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.21.124 |