障害幼児における「産医大版BI」の構成概念妥当性の検討

本研究は,幼児(障害児・健常児)を対象として,蜂須賀らの開発した産医大版Barthel Index (産医大版BI)の構成概念妥当性の検討を目的とした。調査対象は,S県内の14ヵ所の心身障害児通園施設を利用している幼児280名,O県内の心身障害児通園施設7ヵ所とI県内の同施設12ヵ所を利用している幼児375名,S県M市内の公立保育園全14ヵ所の1歳児から5歳児クラスに在籍する幼児866名とした。産医大版BIの得点判定は,児を担当する職員が母親の了解のもとに行った。統計解析には,Wadeらの報告を基礎に「産医大版BI」に関する1因子モデルを措定し,確証的因子分析によりデータヘの適合度を検討した。...

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Published in東京保健科学学会誌 Vol. 5; no. 4; pp. 238 - 243
Main Authors 桐野, 匡史, 中嶋, 和夫, 矢嶋, 裕樹, 種子田, 綾, 新田, 收
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本保健科学学会 2003
Japan Academy of Health Sciences
Subjects
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ISSN1344-3844
2433-149X
DOI10.24531/jjhs.5.4_238

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Summary:本研究は,幼児(障害児・健常児)を対象として,蜂須賀らの開発した産医大版Barthel Index (産医大版BI)の構成概念妥当性の検討を目的とした。調査対象は,S県内の14ヵ所の心身障害児通園施設を利用している幼児280名,O県内の心身障害児通園施設7ヵ所とI県内の同施設12ヵ所を利用している幼児375名,S県M市内の公立保育園全14ヵ所の1歳児から5歳児クラスに在籍する幼児866名とした。産医大版BIの得点判定は,児を担当する職員が母親の了解のもとに行った。統計解析には,Wadeらの報告を基礎に「産医大版BI」に関する1因子モデルを措定し,確証的因子分析によりデータヘの適合度を検討した。その結果,1因子モデルは統計学的な許容水準を満たしていた。また,外的基準との関連で構成概念妥当性を検討するために,障害の有無(障害児・健常児)が前記尺度で測定される動作(ADL13項目)に与える影響を検討した結果,すべての動作に有意な影響が観察された。これらの結果は,「産医大版BI」が幼児の障害の有無を適切に反映しうる尺度であることを示唆するものである。
ISSN:1344-3844
2433-149X
DOI:10.24531/jjhs.5.4_238