CRPS患者80症例に対する長期的追跡調査

目的: complex regional pain syndrome (CRPS) で入院治療した患者の長期的問題点について明らかにする. 方法: 当院麻酔科で入院治療した80例のCRPS患者に対してアンケート調査を行い, 現在の疼痛, 入院治療の効果, 現在の運動機能, 就業の状況, 睡眠の状況, 治療の現況について調べた. 結果: 現在の疼痛は numerical rating scale (NRS) で4.2±3.5であった. 入院治療に関しては約7割の症例で痛みおよび運動機能に対して治療は有効であったと受けとめていた. 日常生活に関して15%の例で他人の介助が必要と答えた. 就業に関し...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 9; no. 4; pp. 418 - 425
Main Authors 川村, 智子, 井上, 隆弥, 棚橋, 識生, 吉本, 陽二, 柴田, 晶カール, 福永, 智栄, 柴田, 政彦, 橋本, 典夫, 真下, 節, 清水, 唯男, 松永, 美佳子, 大城, 宜哲, 岩倉, 建夫, 神保, 明依, 小山, 哲男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本ペインクリニック学会 2002
日本ペインクリニック学会
Subjects
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ISSN1340-4903
1884-1791
DOI10.11321/jjspc1994.9.4_418

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Summary:目的: complex regional pain syndrome (CRPS) で入院治療した患者の長期的問題点について明らかにする. 方法: 当院麻酔科で入院治療した80例のCRPS患者に対してアンケート調査を行い, 現在の疼痛, 入院治療の効果, 現在の運動機能, 就業の状況, 睡眠の状況, 治療の現況について調べた. 結果: 現在の疼痛は numerical rating scale (NRS) で4.2±3.5であった. 入院治療に関しては約7割の症例で痛みおよび運動機能に対して治療は有効であったと受けとめていた. 日常生活に関して15%の例で他人の介助が必要と答えた. 就業に関しては制限なくもとの仕事に復しているものは18%にすぎず, 多くの症例で就業上の問題が残った. 睡眠に関しては51%が良好であった.53%の症例は現在も何らかの治療を継続していた. 結論: CRPSに罹患した患者は痛みのみならず運動機能や就業の問題, 長期的治療など多くの問題があることが明らかとなった.
ISSN:1340-4903
1884-1791
DOI:10.11321/jjspc1994.9.4_418