小児科領域における6059-Sの基礎的, 臨床的検討

細菌感染症に対する抗生物質療法の発達により, 多くの重症感染症を治癒させることができるようになる一方, グラム陰性菌, 中でもPseudomonasや, Serratia等のOpportunistic pathogenを起炎菌とする感染症が増加し, 深刻な問題となつている。このような状況下, 1976年, 塩野義製薬研穽所解おいて開発された注射用抗生物質, 6059-Sは, Oxacephem系に属し, 広範囲スペクトルをもつているが, 特にグラム陰性菌に対して極めて強い抗菌力を示し, しかもPseudomonasおよび嫌気性菌にも有効であり, 更にβ-Lagtamaseに極めて安定であるとさ...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 34; no. 4; pp. 576 - 586
Main Authors 広瀬, 誠, 森川, 良行, 堀田, 昌宏, 原, 典良, 秋田, 博伸, 山下, 直哉, 砂川, 慶介, 南里, 清一郎, 東條, 雅宏, 市橋, 保雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 01.04.1981
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.34.576

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Summary:細菌感染症に対する抗生物質療法の発達により, 多くの重症感染症を治癒させることができるようになる一方, グラム陰性菌, 中でもPseudomonasや, Serratia等のOpportunistic pathogenを起炎菌とする感染症が増加し, 深刻な問題となつている。このような状況下, 1976年, 塩野義製薬研穽所解おいて開発された注射用抗生物質, 6059-Sは, Oxacephem系に属し, 広範囲スペクトルをもつているが, 特にグラム陰性菌に対して極めて強い抗菌力を示し, しかもPseudomonasおよび嫌気性菌にも有効であり, 更にβ-Lagtamaseに極めて安定であるとされている。この6059-Sに関して, 小児科領域において基礎的, 臨床的検討をおこなうたので, ここに報告する。 基礎的検討としては, 抗菌力および血中濃度に関しておこない, 臨床的には, 敗血症, 髄膜炎, 尿路感染症, 呼吸器感染症, 腹腔内膿瘍に本剤を担与し, その効果を検討した。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.34.576