術後腹腔内感染予防対策からみたCefotiamの腹水移行

消化器外科領域においては, 消化管の穿孔による腹膜炎がなお跡をたたず, 又消化管の切除手術あるいは吻合術は, 滅菌の完全な手術器材を用いて手術をはじめてもひとたび消化管を開けば, 細心の注意にもかかわらず術野の汚染をまぬがれえない宿命にある。 従つて, 腹膜炎の治療及び消化管手術後の腹腔内感染予防の目的に, 抗菌剤が選択される場合, 抗菌スペクトラム及び副作用の他に, 腹腔への移行度合が考慮されるべきであろう。 しかし, 人体において, 薬剤の腹腔への移行状態を調べること自体, かなり制約の大きいものであり, これまで詳細な報告は少ない。 そこで最近開発されたβ-Lactamase抵抗性抗菌剤...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 36; no. 2; pp. 221 - 226
Main Authors 木藤, 光彦, 小坂, 進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 01.02.1983
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.36.221

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Summary:消化器外科領域においては, 消化管の穿孔による腹膜炎がなお跡をたたず, 又消化管の切除手術あるいは吻合術は, 滅菌の完全な手術器材を用いて手術をはじめてもひとたび消化管を開けば, 細心の注意にもかかわらず術野の汚染をまぬがれえない宿命にある。 従つて, 腹膜炎の治療及び消化管手術後の腹腔内感染予防の目的に, 抗菌剤が選択される場合, 抗菌スペクトラム及び副作用の他に, 腹腔への移行度合が考慮されるべきであろう。 しかし, 人体において, 薬剤の腹腔への移行状態を調べること自体, かなり制約の大きいものであり, これまで詳細な報告は少ない。 そこで最近開発されたβ-Lactamase抵抗性抗菌剤のうち, 塩酸セフォチアム (CTM) について人体投与後の血中, 腹水中濃度及びそれらの経時的変化について検索した。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.36.221