Lividomycinの淋菌に対するMICと淋病治療効果について

Lividomycin (LVDM) は, 名古屋地方の土壌から分離されたStreptomyces lividus n. sp. ATCC 21178が産生する新らしいアミノ配糖体系の抗生物質で, すでに筋肉内注射剤が, 各種疾患の治療薬として試用されている. LVDMの硫酸塩は, 白色, 無晶形の粉末で, 水に易溶性である. グラム陽性菌, グラム陰性桿菌および結核菌などに対して抗菌性をもち, 緑膿菌に対しても強い抗菌力を示している. LVDMの硫酸塩については, その化学構造が判明し, 遊離塩基は761. 784の分子量をもつことも知られている. この化学構造は, Kanamycin (K...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 27; no. 4; pp. 471 - 474
Main Authors 亀井, 喜世子, 小野田, 洋一, 常松, 之典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 01.08.1974
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.27.471

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Summary:Lividomycin (LVDM) は, 名古屋地方の土壌から分離されたStreptomyces lividus n. sp. ATCC 21178が産生する新らしいアミノ配糖体系の抗生物質で, すでに筋肉内注射剤が, 各種疾患の治療薬として試用されている. LVDMの硫酸塩は, 白色, 無晶形の粉末で, 水に易溶性である. グラム陽性菌, グラム陰性桿菌および結核菌などに対して抗菌性をもち, 緑膿菌に対しても強い抗菌力を示している. LVDMの硫酸塩については, その化学構造が判明し, 遊離塩基は761. 784の分子量をもつことも知られている. この化学構造は, Kanamycin (KM) にやや似ている. アミノ配糖体系抗生物質は, すべて副作用として聴器障害をおこすことがあるとされているが, その作用が弱いとされているLVDMも, 条件によつては聴器障害をおこすことのある抗生物質と考えたほうが無難である. 今回, これを用いて淋病の治療をおこない, 臨床的効果をみた機会に, 現在まであまり系統的におこなわれていない淋菌に対する抗菌性についても, 基礎的に検討することができたので, これらの結果についても報告する.
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.27.471