高線量率192Irリモートアフターローディングシステムに併用可能な組織内加温電極の開発

• Published in: 日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 15; no. 3; pp. 129 - 140
• Main Authors: 北垣, 一, 笠井, 俊文, 内田, 伸恵, 加藤, 博和, 杉村, 和朗, 森山, 正浩
• Format: Journal Article
• Language: English
• Published: 日本ハイパーサーミア学会 1999
• ISSN: 0911-2529; 1881-9516
• DOI: 10.3191/thermalmedicine.15.129

我々は高線量率192Irリモートアフターローディングシステム (192Ir RALS) と併用可能なRF組織内加温用電極を開発し, その加温特性をコンピュータシミュレーションと寒天ファントムを用いた実験で検討した.この加温システムは一組の電極から成り立つ.すなわち, 1) 192Ir RALS用5Fr.ナイロン製カテーテルに挿入可能な屈曲性を有する, 直径1.14mm, 長さ5cmまたは10cmの内部電極と, 2) 四角形の銅板製の外部電極である. シミュレーションの結果, 外部電極付近に過剰な発熱の生じないことがわかった.寒天ファントムを用いた実験では, 13.56MHz, 5ワットで2分間加温した結果, 電極部位で17℃の温度上昇を得た.内部電極は長軸に沿って均等に加温された.内部電極部のSARを100%とした場合, 1cm, 1.5cm離れた部位でのSARはそれぞれ25%, 7%であった. RALS用カテーテルを利用して加温治療可能なこの電極は, 組織内照射加温併用療法に有用であると考えられた.