低侵襲手術としてのMCTによる肝細胞癌治療成績
肝細胞癌(HCC)患者は, 約9割がウイルス性肝炎を母体としているため, 慢性肝炎, 肝硬変を併存することが多く, 肝予備能の低下症例が多い. HCCの治療は筆者を含め一般に肝切除が第1選択と考えられているが, 肝予備能低下のため肝切除を断念せざるを得ない症例に多々遭遇する. このような肝切除を断念せざるを得ない症例に対しては, マイクロ波凝固壊死療法(MCT), ラジオ波焼灼療法(RFA), 経皮的エタノール注入療法(PEIT), 肝動脈塞栓療法(TAE)などの治療法の選択があるが, 局所制御率からみてMCT, RFAなどのAblation therapyが優れていると考える. そこで, 我...
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Published in | Journal of Microwave Surgery Vol. 21; pp. 71 - 74 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会
2003
メディカルレビュー社 |
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Summary: | 肝細胞癌(HCC)患者は, 約9割がウイルス性肝炎を母体としているため, 慢性肝炎, 肝硬変を併存することが多く, 肝予備能の低下症例が多い. HCCの治療は筆者を含め一般に肝切除が第1選択と考えられているが, 肝予備能低下のため肝切除を断念せざるを得ない症例に多々遭遇する. このような肝切除を断念せざるを得ない症例に対しては, マイクロ波凝固壊死療法(MCT), ラジオ波焼灼療法(RFA), 経皮的エタノール注入療法(PEIT), 肝動脈塞栓療法(TAE)などの治療法の選択があるが, 局所制御率からみてMCT, RFAなどのAblation therapyが優れていると考える. そこで, 我々が行ってきたMCTについての治療成績を肝切除と比較検討した. 1997年9月~2003年4月まで, 当教室において施行した開腹下MCT症例(M群:48例), 肝切除症例(R群:46例)を対象とした. 患者背景, 腫瘍背景, 術前肝予備能, 手術侵襲因子, 術後炎症反応の推移, 手術成績を両群において比較検討した. なお, MCTにおける治癒度は術後2週間後と1ヵ月後の肝dynamic CTで判定した. 得られた数値はmean±standard deviation(mean±SD)で表示し, 統計学的検定は2群間のデータの比較にはunpaired t-test, 2群間の複数回の測定データの比較にはrepeated measures analysis of variance(ANOVA), 累積生存率はKaplan-Meier法にて算出し, logranktestにて検定した. p<0. 05を有意差ありとした. |
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ISSN: | 0917-7728 1882-210X |
DOI: | 10.3380/jmicrowavesurg.21.71 |