超高齢者高血圧の血圧管理の意義と方策

超高齢化社会への突入によって, 高血圧を有する超高齢者の人口が増加している. 近年行われた超高齢者のメタアナリシスでは, 心血管死亡は有意に抑制できなかったものの, 脳卒中は34%, 心事故22%, 心不全39%の有意な発症抑制が認められている. また超高齢者ではある程度の認知障害は避け得ないと考えられるが, 近年のデータからは降圧療法による認知症の進行予防も期待できる. すなわち超高齢者においても降圧速度は緩やかではあるが充分な降圧を行うことが, 生活の質の維持からも重要と考えられる. 高血圧を有する超高齢者の人生の最終ステージが実りある幸福なものになるよう全人医療を行うことが重要である....

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 43; no. 6; pp. 697 - 699
Main Author 檜垣, 實男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.11.2006
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Summary:超高齢化社会への突入によって, 高血圧を有する超高齢者の人口が増加している. 近年行われた超高齢者のメタアナリシスでは, 心血管死亡は有意に抑制できなかったものの, 脳卒中は34%, 心事故22%, 心不全39%の有意な発症抑制が認められている. また超高齢者ではある程度の認知障害は避け得ないと考えられるが, 近年のデータからは降圧療法による認知症の進行予防も期待できる. すなわち超高齢者においても降圧速度は緩やかではあるが充分な降圧を行うことが, 生活の質の維持からも重要と考えられる. 高血圧を有する超高齢者の人生の最終ステージが実りある幸福なものになるよう全人医療を行うことが重要である.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.43.697