西葛西井上眼科クリニックにおける小児コンタクトレンズの処方と実態

目的:近年、コンタクトレンズ(contact lens:以下CLと略す)装用人口は増加している。特に、小児のCL使用率は年々増加し、低年齢化している。一方、CL装用開始年齢に明確な基準は設けられていない。そこで、西葛西井上眼科クリニック(以下当クリニックと略す)におけるCL処方の実態について報告する。 対象と方法:平成20年1月から平成23年6月までに当クリニックにてCLを処方した10歳から15歳の小児158名を対象に、性別、年齢、CL処方時の屈折値、CL処方希望の動機、家族のCL使用歴を後ろ向きに検討した。 結果:対象者の平均年齢12.96歳。男女比は53:105で女子が66%を占めた。CL...

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Published in日本視能訓練士協会誌 Vol. 41; pp. 149 - 154
Main Authors 挺屋, 孝子, 荻嶋, 優, 宮永, 嘉隆, 勝海, 修, 齋藤, 恵美, 宮田, 真由美, 井上, 賢治, 大上, 瑞恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本視能訓練士協会 2012
日本視能訓練士協会
Subjects
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ISSN0387-5172
1883-9215
DOI10.4263/jorthoptic.041F113

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Summary:目的:近年、コンタクトレンズ(contact lens:以下CLと略す)装用人口は増加している。特に、小児のCL使用率は年々増加し、低年齢化している。一方、CL装用開始年齢に明確な基準は設けられていない。そこで、西葛西井上眼科クリニック(以下当クリニックと略す)におけるCL処方の実態について報告する。 対象と方法:平成20年1月から平成23年6月までに当クリニックにてCLを処方した10歳から15歳の小児158名を対象に、性別、年齢、CL処方時の屈折値、CL処方希望の動機、家族のCL使用歴を後ろ向きに検討した。 結果:対象者の平均年齢12.96歳。男女比は53:105で女子が66%を占めた。CL処方時の平均屈折値は、右眼が-3.87D、左眼が-3.77Dであり、CL処方を希望する動機として、運動を理由とする小児が62%、次いで整容目的が16%、不同視・強度近視が10%、その他が4%、不明が8%に分類された。家族のCL使用歴は、家族のいずれかに使用歴ありが59%、使用歴が13.9%、不明が27.1%だった。 結論:屈折矯正の第一選択は、眼鏡装用である。しかし、生活様式が多様化する中、小児においてもCL装用が選択肢の一つになっている。小児に対するCL処方及び使用を出来る限り安全にするため、CL処方する際には小児を十分に観察し、保護者と共にCLのメリットとデメリットの説明、CLが医療器具である認識を持ってもらい、理解が得られた上で、装用練習、その後の経過観察を十分に行い、正しく使用されていることを確認することが重要であると考える。
ISSN:0387-5172
1883-9215
DOI:10.4263/jorthoptic.041F113