分子インプリントポリマーをクリーンアップに応用したハチミツ及びローヤルゼリー中クロラムフェニコールの分析

ハチミツ及びローヤルゼリー中クロラムフェニコール(CAP)の残留分析を行うために,クリーンアップに分子インプリントポリマー(MIP)を用いた方法を採用し,その有用性について,従来法である逆相系の固相抽出法と比較検討した.測定には,液体クロマトグラフィー/紫外吸収法(LC/UV),液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)及び酵素免疫測定法(ELISA)を用い,クリーンアップ効果を検証した.その結果,LC/UV測定において,MIPは固相抽出法に比べ,妨害ピークの少ないクロマトグラムが得られ,添加回収率もハチミツで約80%,ローヤルゼリーで約75% であった.また,LC/MS測定では,マトリ...

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Published in分析化学 Vol. 61; no. 5; pp. 383 - 389
Main Authors 伊藤, 里恵, 斉藤, 貢一, 波田, 梨公子, 中澤, 裕之, 坂本, 泰洋, 岩崎, 雄介, 方波見, 志織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.05.2012
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.61.383

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Summary:ハチミツ及びローヤルゼリー中クロラムフェニコール(CAP)の残留分析を行うために,クリーンアップに分子インプリントポリマー(MIP)を用いた方法を採用し,その有用性について,従来法である逆相系の固相抽出法と比較検討した.測定には,液体クロマトグラフィー/紫外吸収法(LC/UV),液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)及び酵素免疫測定法(ELISA)を用い,クリーンアップ効果を検証した.その結果,LC/UV測定において,MIPは固相抽出法に比べ,妨害ピークの少ないクロマトグラムが得られ,添加回収率もハチミツで約80%,ローヤルゼリーで約75% であった.また,LC/MS測定では,マトリックス効果を低減し,ELISAでは夾(きょう)雑物による抗原抗体反応への妨害を抑制できた.いずれの測定法においても,MIPは固相抽出法に比べ,夾雑物の影響を軽減することができ,CAPの残留分析に適用することが期待される.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.61.383