インタクトなタンパク質のLC/MS分析へ向けたモノリス型シリカミクロトラップカラムの開発と評価

界面活性剤や緩衝液へ溶解されたインタクトタンパク質の高精度LC及びLC/MS分析へ向け,モノリス型シリカを基材とするナノフローLC用トラップカラムを開発した.タンパク質と各種添加剤との分離のため,吸着層としてシリカ表面へC4修飾を施した.C4修飾モノリス型シリカトラップカラムではイソクラチック溶離によるタンパク質と界面活性剤(CHAPS)の分離が容易であった.また,高濃度なタンパク質可溶化剤(10 mmol L−1 CHAPS,1 mmol L−1 EDTA・2Na,6 mol L−1グアニジン緩衝液)に溶解したタンパク質試料に対してLC及びLC/MS分析を行った.その結果MSでは,MSスペク...

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Published in分析化学 Vol. 71; no. 6; pp. 341 - 349
Main Authors 小林, 宏資, 和田, 啓男, 大塚, 浩二, 久保, 拓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.06.2022
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.71.341

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Summary:界面活性剤や緩衝液へ溶解されたインタクトタンパク質の高精度LC及びLC/MS分析へ向け,モノリス型シリカを基材とするナノフローLC用トラップカラムを開発した.タンパク質と各種添加剤との分離のため,吸着層としてシリカ表面へC4修飾を施した.C4修飾モノリス型シリカトラップカラムではイソクラチック溶離によるタンパク質と界面活性剤(CHAPS)の分離が容易であった.また,高濃度なタンパク質可溶化剤(10 mmol L−1 CHAPS,1 mmol L−1 EDTA・2Na,6 mol L−1グアニジン緩衝液)に溶解したタンパク質試料に対してLC及びLC/MS分析を行った.その結果MSでは,MSスペクトルのデコンボリューションにより適正な分子量が得られた.吸着ロスが懸念される低濃度のタンパク質試料(0.001 mg mL−1)に対しても検量線で高い直線性を与える等,モノリス型シリカトラップカラムはインタクトタンパク質のLC及びLC/MS分析に有用であった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.71.341