働く障害者の職業上の希望実現度と職務満足度が離職意図に及ぼす効果

わが国では職場定着や離職予防の要因として働く障害者本人の職務満足度を取り上げた研究は少ない。本研究はミネソタ職業適応理論の枠組みを参考に、職務満足度は離職意図と関連しているのか、また職業上の希望実現度は直接的に離職意図に影響しているのか、それとも職務満足度を媒介し影響を与えているのかを明らかにすることを目的とした。質問紙による調査を実施し、得られたデータをカテゴリカル回帰分析等により分析した結果、以下のことが明らかになった。(1) 職務満足度は離職意図と関連している。(2) 職務満足度と離職意図の関連の程度は障害種類により異なる。(3)「仕事の達成感」「労働条件」等職務満足度を構成する下位要素...

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Bibliographic Details
Published in職業リハビリテーション Vol. 21; no. 1; pp. 2 - 15
Main Author 若林, 功
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本職業リハビリテーション学会 15.09.2007
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ISSN0915-0870
2186-1331
DOI10.11328/jsvr1987.21.2

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Summary:わが国では職場定着や離職予防の要因として働く障害者本人の職務満足度を取り上げた研究は少ない。本研究はミネソタ職業適応理論の枠組みを参考に、職務満足度は離職意図と関連しているのか、また職業上の希望実現度は直接的に離職意図に影響しているのか、それとも職務満足度を媒介し影響を与えているのかを明らかにすることを目的とした。質問紙による調査を実施し、得られたデータをカテゴリカル回帰分析等により分析した結果、以下のことが明らかになった。(1) 職務満足度は離職意図と関連している。(2) 職務満足度と離職意図の関連の程度は障害種類により異なる。(3)「仕事の達成感」「労働条件」等職務満足度を構成する下位要素と離職意図の関係は障害種類によって異なる。(4) 就職時の希望条件が実現していないことや希望する配慮の実現していないことは、直接的に離職意図に影響しているのではなく、職務満足度を媒介して離職意図に影響を与えている。
ISSN:0915-0870
2186-1331
DOI:10.11328/jsvr1987.21.2