外来通院している小児がん患者への告知に対する親のコーピング

本研究の目的は、外来通院している小児がん患者への告知に対する親のコーピングを明らかにし、コーピングに影響を及ぼす要因を分析することである。9歳以上の告知を受けていない小児がん患者の親17ケースを対象に、質問紙調査を行った。子どもへの告知に対して親が行っていたコーピングは「問題解決」と「医療者サポートによる情報収集」のみで、「社会的サポートによる情報収集」は行わない傾向を示した。親は情報収集源が少ない状態で、子どもへの告知に対する意思決定への取り組みを行っていることが明らかになった。また、子どもへの告知に対する親のコーピングには、「子どもの現在の年齢」と「寛解期間」が影響していた。子どもの年齢が...

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Published in日本小児看護学会誌 Vol. 15; no. 2; pp. 90 - 97
Main Authors 山下 早苗, Yamashita Sanae, 真鍋 美貴, Manabe Miki, 高野 政子, Takano Masako
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japanese Society of Child Health Nursing 2006
一般社団法人 日本小児看護学会
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Summary:本研究の目的は、外来通院している小児がん患者への告知に対する親のコーピングを明らかにし、コーピングに影響を及ぼす要因を分析することである。9歳以上の告知を受けていない小児がん患者の親17ケースを対象に、質問紙調査を行った。子どもへの告知に対して親が行っていたコーピングは「問題解決」と「医療者サポートによる情報収集」のみで、「社会的サポートによる情報収集」は行わない傾向を示した。親は情報収集源が少ない状態で、子どもへの告知に対する意思決定への取り組みを行っていることが明らかになった。また、子どもへの告知に対する親のコーピングには、「子どもの現在の年齢」と「寛解期間」が影響していた。子どもの年齢が思春期である時期や寛解期間が0〜3年という時期は、小児がんの子どもをもつ親にとって告知に対する不確かさの強い時期となるが、コーピングを高める機会になっていることが示唆された。
ISSN:2423-8457
1344-9923
2423-8457
DOI:10.20625/jschn.15.2_90