秋田県における認知症地域支援推進員の効率的な事業展開に向けた検討

目的:認知症地域支援推進員の効率的な事業展開に向けて必要なことを検討する.方法:当センターがある秋田県において,25市町村の認知症地域支援推進員を対象に活動の現状を把握し,事業を効率的に展開するためにはどういったことが必要かを検討するための簡易アンケート調査を行った.結果:第一に認知症支援推進員の存在を地域住民に認知されていないことが判明し,その存在や活動を周知するような機会が必要であることが明らかになった.また推進員同士の情報共有や認知症の支援体制を構築するための社会資源を把握するツールなどが不足していることも明らかになった.また連携の面では,初期集中支援チームや疾患医療センターとの連携はと...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 59; no. 4; pp. 543 - 550
Main Authors 清水, 辰徳, 小玉, 鮎人, 菅原, 薫, 浅野, 真理子, 奥田, 佑道, 大田, 秀隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 25.10.2022
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Summary:目的:認知症地域支援推進員の効率的な事業展開に向けて必要なことを検討する.方法:当センターがある秋田県において,25市町村の認知症地域支援推進員を対象に活動の現状を把握し,事業を効率的に展開するためにはどういったことが必要かを検討するための簡易アンケート調査を行った.結果:第一に認知症支援推進員の存在を地域住民に認知されていないことが判明し,その存在や活動を周知するような機会が必要であることが明らかになった.また推進員同士の情報共有や認知症の支援体制を構築するための社会資源を把握するツールなどが不足していることも明らかになった.また連携の面では,初期集中支援チームや疾患医療センターとの連携はとれているものの,認知症サポーターとの連携が不十分であることが判明した.さらに推進員の大きな役割である認知症ケアパスの作成や活動にはあまり関与しない実態が見えてきた.結論:今回の結果より,事業を効率的に展開するためのポイントとして,1.地域住民に対する認知症地域推進員を周知するための情報発信,2.認知症サポーターや民生委員との連携づくり,3.社会資源マップの作成やその把握,認知症ケアパスの有効活用,4.地域支援推進員が兼務しなくてよい労働環境の整備,5.認知症施策全体を理解するための学習の場づくり,の以上5点を提案する.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.59.543