日本で利用されている麻黄由来のエキス含有市販医薬品等に含まれるエフェドリン類の特徴について —LC/MSによる検討

本研究は,日本で利用されている麻黄由来の乾燥エキス含有漢方医薬品やサプリメント20品に含まれるエフェドリン類(l-ephedrineとd-pseudoephedrine)の特徴を汎用型LC/MSを用いて検討した.検討は,同位体イオン強度比による安定同位体比値(δReph値)及び標準添加法による含有組成の2項目について行った.その結果,エフェドリン類のδReph値は20品中16品で全化学合成エフェドリン類のδReph値より低い植物麻黄由来と推定される値であったが,残りの4品は基準とした全化学合成エフェドリン類のδReph値より高い値であった.エフェドリン類含有量の組成比は20品に限定しての結果で...

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Published in分析化学 Vol. 74; no. 3; pp. 111 - 115
Main Author 牧野, 由紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 05.03.2025
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Summary:本研究は,日本で利用されている麻黄由来の乾燥エキス含有漢方医薬品やサプリメント20品に含まれるエフェドリン類(l-ephedrineとd-pseudoephedrine)の特徴を汎用型LC/MSを用いて検討した.検討は,同位体イオン強度比による安定同位体比値(δReph値)及び標準添加法による含有組成の2項目について行った.その結果,エフェドリン類のδReph値は20品中16品で全化学合成エフェドリン類のδReph値より低い植物麻黄由来と推定される値であったが,残りの4品は基準とした全化学合成エフェドリン類のδReph値より高い値であった.エフェドリン類含有量の組成比は20品に限定しての結果であるが,すべてl-ephedrineがd-pseudoephedrineより多く,成人1日服用量当たりの塩酸塩としての含有量は,l-ephedrineが9〜72 mgで,d-pseudoephedrineが3〜24 mgでかなりの幅があった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.74.111