下顎骨背側の口腔腫瘍にダイヤモンドバーと超音波スケーラーを用いて下顎骨辺縁切除した犬猫の5例

犬4頭(棘細胞性エナメル上皮腫2頭,悪性メラノーマ,骨肉腫)と猫1頭(線維肉腫)の下顎骨背側に認められた口腔腫瘍に対して下顎骨辺縁切除を行った。腫瘍は,マイクロエンジンに装着したダイヤモンドバーで腫瘍の形状に沿って曲線的にマージンを確保しながら,下顎骨腹側縁を残し,腫瘍含有骨片として摘出した。切除した断面に残った歯根はW型サージェリーチップを装着した超音波スケーラーで除去した。手術後,全ての症例で採食,咬合,審美に問題はなく,病理組織学的に腫瘍は完全切除されていた。今回行った下顎骨辺縁切除では,下顎骨切除などの積極的な外科手術と比べても治療成績はあまり変わらずにQOLを維持することが可能であっ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in動物臨床医学 Vol. 28; no. 2; p. 63
Main Authors 渡邊, 一弘, 森, 崇, 後藤, 匠, 岩崎, 遼太, 齊藤, 和之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 25.06.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1344-6991
1881-1574
DOI10.11252/dobutsurinshoigaku.28.63

Cover

More Information
Summary:犬4頭(棘細胞性エナメル上皮腫2頭,悪性メラノーマ,骨肉腫)と猫1頭(線維肉腫)の下顎骨背側に認められた口腔腫瘍に対して下顎骨辺縁切除を行った。腫瘍は,マイクロエンジンに装着したダイヤモンドバーで腫瘍の形状に沿って曲線的にマージンを確保しながら,下顎骨腹側縁を残し,腫瘍含有骨片として摘出した。切除した断面に残った歯根はW型サージェリーチップを装着した超音波スケーラーで除去した。手術後,全ての症例で採食,咬合,審美に問題はなく,病理組織学的に腫瘍は完全切除されていた。今回行った下顎骨辺縁切除では,下顎骨切除などの積極的な外科手術と比べても治療成績はあまり変わらずにQOLを維持することが可能であった。下顎骨辺縁切除を行う場合,超音波スケーラーを用いることで下顎骨の損失を最小限にして十分な骨を残すことができ,いままで適用が難しかった小型犬や猫でも適用が可能となる。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.28.63