Triosorb Testの使用経験

甲状腺の機能検査は, 近年この分野に131Iが導入されたことによつて急速な進歩を遂げた. すなわち従来から行なわれてきた基礎代謝率, PBI測定に加えて, 131I甲状腺摂取率, 甲状腺シンチグラムなどがルーチンの検査法として行なわれるようになり, 甲状腺疾患の診断がきわめて適確に行なわれるようになつた. しかしながらわが国の一般の病院ではアイソトープ取扱設備の問題などから, これらの優れた検査法の恩恵にまだ充分に浴しえていないというのが実情であろう. 従来の検査法の基礎代謝率では季節, 肉体的精神的諸条件, 測定法など1)~3)の影響が大きく測定値を左右し, またPBIでは, その測定技術上...

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Published in医療 Vol. 21; no. 12; pp. 1460 - 1466
Main Authors 胆後, 晃, 羽渕, 靖治, 岡本, 卓雄, 福本, 芳男, 山野, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1967
医療同好会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.21.1460

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Summary:甲状腺の機能検査は, 近年この分野に131Iが導入されたことによつて急速な進歩を遂げた. すなわち従来から行なわれてきた基礎代謝率, PBI測定に加えて, 131I甲状腺摂取率, 甲状腺シンチグラムなどがルーチンの検査法として行なわれるようになり, 甲状腺疾患の診断がきわめて適確に行なわれるようになつた. しかしながらわが国の一般の病院ではアイソトープ取扱設備の問題などから, これらの優れた検査法の恩恵にまだ充分に浴しえていないというのが実情であろう. 従来の検査法の基礎代謝率では季節, 肉体的精神的諸条件, 測定法など1)~3)の影響が大きく測定値を左右し, またPBIでは, その測定技術上の煩雑さのため, 実際上臨床的要請には充分応え得ていなかつたといつても過言ではない. 簡単な操作で甲状腺機能を正しく把握しうる検査法の出現が長らく望まれていたゆえんである. Triosorb test(=131I-Triiodothyronine Resin Sponge Uptake, 以下「RSU」と略す)は1955年Hamolsky4)によつて発表された131I-Triiodothy-ronine赤血球摂取率(以下「EU」と略す)の改良法ともいうべき甲状腺機能検査で, 1960年Mitchell5)によつてTriosorb resin sponge (polyurethane resin embedded sponge)を起用することによつであみ出された方法である.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.21.1460