転倒を繰り返すパーキンソン病患者に関連する要因の検討─転倒に対する自己効力感と罰の認知に着目して

【目的】転倒を繰り返すパーキンソン病 (PD) 患者に関連する要因を, 転倒に対する自己効力感と罰の認知の視点から検討する。【対象・方法】 PD 患者 19 名を過去 1 年の転倒歴から 2 群 (非転倒群・転倒反復群) に分類した。罹病期間, Hoehn & Yahr Stage 分類 (H & Y) , 服薬状況, Movement Disorder Society Unified Parkinsonʼs Disease Rating Scale (UPDRS) の Total・Part 別得点・Retropulsion Test・姿勢と歩行 (PIGD) 等, Funct...

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Published in高次脳機能研究 (旧 失語症研究) Vol. 42; no. 1; pp. 29 - 36
Main Authors 冨居, 泰臣, 大槻, 美佳, 長谷川, 直哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会 31.03.2022
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Summary:【目的】転倒を繰り返すパーキンソン病 (PD) 患者に関連する要因を, 転倒に対する自己効力感と罰の認知の視点から検討する。【対象・方法】 PD 患者 19 名を過去 1 年の転倒歴から 2 群 (非転倒群・転倒反復群) に分類した。罹病期間, Hoehn & Yahr Stage 分類 (H & Y) , 服薬状況, Movement Disorder Society Unified Parkinsonʼs Disease Rating Scale (UPDRS) の Total・Part 別得点・Retropulsion Test・姿勢と歩行 (PIGD) 等, Functional Balance Scale (FBS) , 機能的自立度評価法 (FIM) , アイオワギャンブリング課題 (IGT) ・日本版 Falls Efficacy Scale (FES-J) ・日本版 Montreal Cognitive Assessment (MoCA-J) 等の 2 群間比較を行った。【結果】FIM cognition / 社会的交流 / 問題解決・MoCA-J・IGT が転倒反復群で有意に低値であった。FES-J は有意差がなかった。多変量解析では, FIM 問題解決のみが有意な項目として選択された。【考察】繰り返す転倒には注意機能や作動記憶の低下, 転倒に対する自己効力感の問題や罰の認知の低下が影響している可能性が示唆される。
ISSN:1348-4818
1880-6554
DOI:10.2496/hbfr.42.29