針型濃縮デバイスを用いる水試料中の揮発性有機化合物の分析

本稿では針型の試料濃縮デバイスを用いて,水道水や飲料等に含まれる揮発性有機化合物(VOCs)をガスクロマトグラフ─質量分析計(GC-MS)で分析するパージ・トラップ(PT)分析法について紹介する.本サンプリング法では試料前処理の際に高価な装置を必要とせず,非常に簡便な操作で水試料中のVOCsを濃縮することが可能である.針型濃縮デバイスを用いるPT分析法の詳細及び測定例として水道水中の種々のVOCs分析,カビ臭化合物の高感度分析や高揮発性有機化合物(VVOCs)の分析を行った結果について紹介する.また,針型濃縮デバイスを用いるPT分析法をホルムアルデヒドの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分...

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Published in分析化学 Vol. 65; no. 1; pp. 25 - 32
Main Authors 植田, 郁生, 齊戸, 美弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 01.01.2016
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.65.25

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Summary:本稿では針型の試料濃縮デバイスを用いて,水道水や飲料等に含まれる揮発性有機化合物(VOCs)をガスクロマトグラフ─質量分析計(GC-MS)で分析するパージ・トラップ(PT)分析法について紹介する.本サンプリング法では試料前処理の際に高価な装置を必要とせず,非常に簡便な操作で水試料中のVOCsを濃縮することが可能である.針型濃縮デバイスを用いるPT分析法の詳細及び測定例として水道水中の種々のVOCs分析,カビ臭化合物の高感度分析や高揮発性有機化合物(VVOCs)の分析を行った結果について紹介する.また,針型濃縮デバイスを用いるPT分析法をホルムアルデヒドの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析に応用した結果についても記載する.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.65.25