成人期の女性看護師における生涯発達上の危機となる体験

本研究の目的は,生涯発達の観点から女性看護師の成人期における危機となる「体験」の内容や時期の解明である。病院に勤務する20歳代から50歳代の看護師19名を対象に半構成面接を行った。体験を抽出してカテゴリー化し,さらに《個人》《家族》《仕事》の領域に分類した。分析の結果,看護職の発達に影響を与える体験は,《仕事》の領域が半数で,《個人》や《家族》の領域においても仕事と関連したものが多く語られた。体験の時期は《仕事》領域の体験では内容により予測可能な体験が多く,《家族》領域の子育てや介護との葛藤などは,どの年代でも体験されていた。また体験は有職者に共通する子育てや介護との両立などの内容と,看護職に...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 1_57 - 1_68
Main Author 中垣, 明美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.04.2010
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20090820002

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Summary:本研究の目的は,生涯発達の観点から女性看護師の成人期における危機となる「体験」の内容や時期の解明である。病院に勤務する20歳代から50歳代の看護師19名を対象に半構成面接を行った。体験を抽出してカテゴリー化し,さらに《個人》《家族》《仕事》の領域に分類した。分析の結果,看護職の発達に影響を与える体験は,《仕事》の領域が半数で,《個人》や《家族》の領域においても仕事と関連したものが多く語られた。体験の時期は《仕事》領域の体験では内容により予測可能な体験が多く,《家族》領域の子育てや介護との葛藤などは,どの年代でも体験されていた。また体験は有職者に共通する子育てや介護との両立などの内容と,看護職に特徴的な准看護師と看護師の責任や仕事内容の違いや,大学卒の増加など看護基礎教育課程の違いなどの内容があった。有職女性の共通の体験と看護現場の複雑な状況による体験が,女性看護師の生涯発達に影響していた。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20090820002