咽頭弁術後患者における長期経過の検討

静岡県立こども病院において咽頭弁形成術を施行した60例を口蓋裂術後症例,粘膜下口蓋裂症例,先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症例に分け,裂型ごとの長期的な成績を比較検討し以下の結果を得た。 1)術後1年目の評価で,90%以上が改善していた。 2)最終評価時の『良好』と『ごく軽度不全』を合わせた割合は90%以上で,裂型による差はなかった。 3)咽頭弁形成術後の鼻咽腔閉鎖機能は長期にわたり安定していた。 4)成長に伴う軽微な変化を認めた症例も存在した。 これらの結果から,咽頭弁形成術はいずれの裂型においても安定した成績を示したが,同時に経年的な変化も認められ,長期的な経過観察の必要性が示唆された。...

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Published inJournal of Japanese Cleft Palate Association Vol. 40; no. 1; pp. 38 - 40
Main Authors 加藤, 光剛, 鈴木, 藍, 朴, 修三, 北野, 市子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 2015
Japanese Cleft Palate Association
Subjects
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate.40.38

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Summary:静岡県立こども病院において咽頭弁形成術を施行した60例を口蓋裂術後症例,粘膜下口蓋裂症例,先天性鼻咽腔閉鎖機能不全症例に分け,裂型ごとの長期的な成績を比較検討し以下の結果を得た。 1)術後1年目の評価で,90%以上が改善していた。 2)最終評価時の『良好』と『ごく軽度不全』を合わせた割合は90%以上で,裂型による差はなかった。 3)咽頭弁形成術後の鼻咽腔閉鎖機能は長期にわたり安定していた。 4)成長に伴う軽微な変化を認めた症例も存在した。 これらの結果から,咽頭弁形成術はいずれの裂型においても安定した成績を示したが,同時に経年的な変化も認められ,長期的な経過観察の必要性が示唆された。
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate.40.38