FK 037の泌尿器科領域感染症に対する前期第II相試験成績

新しい注射用セフェム剤FK 037の泌尿器科領域感染症に対する臨床効果と安全性を予備的に検討した。対象は尿路に基礎疾患を有するカテーテル非留置の複雑性尿路感染症で, 15歳以上80歳未満の入院患者とした。用法・用量は1回0.5g (力価), 1.0g (力価) または2.0g (力価) を朝・夕の1日2回, 5~9日間点滴静注し, UTI薬効評価基準に従い臨床効果を判定した。UTI薬効評価基準に合致した32例における臨床効果は著効15例, 有効15例, 無効2例で有効率は93.8%であった。副作用は1例に発疹がみられ, 臨床検査値の異常変動は1例に軽度のGPT上昇が認められたのみであった。以上...

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Published inCHEMOTHERAPY Vol. 42; no. 9; pp. 1036 - 1047
Main Authors 熊本, 悦明, 斎藤, 功, 河田, 幸道, 守殿, 貞夫, 大森, 弘之, 熊澤, 淨一, 河村, 信夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1994
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ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.42.1036

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Summary:新しい注射用セフェム剤FK 037の泌尿器科領域感染症に対する臨床効果と安全性を予備的に検討した。対象は尿路に基礎疾患を有するカテーテル非留置の複雑性尿路感染症で, 15歳以上80歳未満の入院患者とした。用法・用量は1回0.5g (力価), 1.0g (力価) または2.0g (力価) を朝・夕の1日2回, 5~9日間点滴静注し, UTI薬効評価基準に従い臨床効果を判定した。UTI薬効評価基準に合致した32例における臨床効果は著効15例, 有効15例, 無効2例で有効率は93.8%であった。副作用は1例に発疹がみられ, 臨床検査値の異常変動は1例に軽度のGPT上昇が認められたのみであった。以上の成績から, 本剤はグラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトルを有しており, これを反映して臨床試験においても優れた効果を示し, 安全性も特に問題がないことから, 泌尿器科領域感染症に対して有用性が期待される薬剤であると考えられる。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.42.1036