中国における家族看護の現状に関する文献検討

背景と目的 中国では,核家族化による家族規模の縮小,現代医療モデルの変化などに伴い,家族看護の発展が望まれる。本研究は,中国における家族看護に関する文献を検討し,家族看護学の現状を明かにすることを目的とした。 方  法 中国の総合的な文献データベースである“知網”を使用し,“家庭护理”をキーワードとして2014年から2018年の文献を検索した。全732本のうち,家族看護に関する記述がある27本の文献を分析対象とした。Garrardのマトリックス方式で文献を整理し,文献検討を行った。 結  果 文献数は,発行年による違いがなかったが,小児看護に関連する文献が多かった(39.1%)。研究デザインと...

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Published in文化看護学会誌 Vol. 12; no. 1; pp. 1_12 - 1_21
Main Authors 法橋, 尚宏, 林, 綺婷
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 文化看護学会 31.05.2020
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ISSN1883-8774
2433-4308
DOI10.24658/bunkakango.12.1_1_12

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Summary:背景と目的 中国では,核家族化による家族規模の縮小,現代医療モデルの変化などに伴い,家族看護の発展が望まれる。本研究は,中国における家族看護に関する文献を検討し,家族看護学の現状を明かにすることを目的とした。 方  法 中国の総合的な文献データベースである“知網”を使用し,“家庭护理”をキーワードとして2014年から2018年の文献を検索した。全732本のうち,家族看護に関する記述がある27本の文献を分析対象とした。Garrardのマトリックス方式で文献を整理し,文献検討を行った。 結  果 文献数は,発行年による違いがなかったが,小児看護に関連する文献が多かった(39.1%)。研究デザインとしては,介入研究が多かった(52.2%)。Kaakinenらによる家族看護の4つのアプローチ別にみると,“個人の発達の背景としての家族”に該当する文献が多かった(69.6%)。家族看護の現状としては,〈政府システム〉〈医療システム〉〈社会システム〉〈家族内部システム〉に関する4システムが明らかになった。 考  察 中国では家族看護に関する文献は少なく,“個人の発達の背景としての家族”に該当する文献が多かったことから,中国における家族看護のさらなる発展が必要である。中国における家族看護の発展には,中国政府による主導に加え,医療機関や社会団体などからの支援が必要であると考えられる。
ISSN:1883-8774
2433-4308
DOI:10.24658/bunkakango.12.1_1_12