ハイパースキャニングに用いる2台の脳磁計で推定した脳活動位置の比較

"【目的】2台の脳磁計を光ファイバで接続したハイパースキャニングシステムを構築し、脳活動計測を行ってきた。しかし、同時記録された脳活動、特に同期的活動を検討する際に、異なる脳磁計で記録されたデータを直接比較できるかは未確認であった。そこで本研究では、2台の脳磁計を用いて同一被験者の一次感覚野を刺激し、その際の活動部位を推定し、その結果を比較した。【方法】101 ch custom-type ヘルメット型脳磁計(Elekta-Neuromag)および306 chヘルメット型脳磁計(Vectorview, Elekta-Neuromag)を用いた。2名の被験者に2k Hzの純音両耳刺激、...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Proc; pp. 647 - 649
Main Authors 大西, 祥貴, 渡辺, 隼人, 下條, 暁司, 横澤, 宏一, 高野, 一義, 白石, 秀明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.647

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Summary:"【目的】2台の脳磁計を光ファイバで接続したハイパースキャニングシステムを構築し、脳活動計測を行ってきた。しかし、同時記録された脳活動、特に同期的活動を検討する際に、異なる脳磁計で記録されたデータを直接比較できるかは未確認であった。そこで本研究では、2台の脳磁計を用いて同一被験者の一次感覚野を刺激し、その際の活動部位を推定し、その結果を比較した。【方法】101 ch custom-type ヘルメット型脳磁計(Elekta-Neuromag)および306 chヘルメット型脳磁計(Vectorview, Elekta-Neuromag)を用いた。2名の被験者に2k Hzの純音両耳刺激、チェッカーボード左下視野刺激、正中神経電気刺激を与えた際に生じる脳磁場を2台の脳磁計で記録した。得られた脳磁場データに基づいて各々の刺激に対する一次感覚野の活動部位を推定した。【結果と考察】活動部位の推定位置は、聴覚刺激では上側頭回(聴覚野)、視覚刺激では右半球鳥距溝付近(視覚野)、正中神経刺激では頭頂葉(体性感覚野)に正しく推定された。これらの推定位置について、2台の脳磁計間ではわずかに位置の変動が見られたが(< 20 mm)、Desikan-Killiany atlas (Desikan et al., 2006) の範囲内では同一脳部位であった。通常、二者の脳活動の同期について検討する際には一定の範囲を持つ領域同士で比較することから、この結果は2台の脳磁計を用いた同期の推定を許容することを示唆する。"
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.647