超酸化水による手指および環境消毒の検討

「はじめに」 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)をはじめとする院内感染の拡大により医療を取り巻く環境の整備が急務となっている. 病院薬剤部も例外ではなく, 病棟との交流が増加するに従い, 薬剤部の環境汚染や薬剤師(部)を介した汚染の伝播を阻止しなければならない. 最も簡便で効果的な院内感染防止対策は, 消毒剤による手指消毒や環境消毒であり, これらについては多数の報告がある. しかしながら, 消毒剤の作用の強さは人体に対する悪影響と比例している場合が多く, ほとんどの消毒剤は用途がかなり限定されている1). また, 人体に対する副作用が少ないと言われている緩和な消毒剤も手指消毒等に頻繁に...

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Published in病院薬学 Vol. 21; no. 6; pp. 525 - 530
Main Authors 山田, 喜広, 可知, 茂男, 大村, 知広, 伊藤, 譲, 二橋, 純一, 田中, 聖人, 橋本, 久邦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本医療薬学会 10.12.1995
日本病院薬学会
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ISSN0389-9098
2185-9477
DOI10.5649/jjphcs1975.21.525

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Summary:「はじめに」 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)をはじめとする院内感染の拡大により医療を取り巻く環境の整備が急務となっている. 病院薬剤部も例外ではなく, 病棟との交流が増加するに従い, 薬剤部の環境汚染や薬剤師(部)を介した汚染の伝播を阻止しなければならない. 最も簡便で効果的な院内感染防止対策は, 消毒剤による手指消毒や環境消毒であり, これらについては多数の報告がある. しかしながら, 消毒剤の作用の強さは人体に対する悪影響と比例している場合が多く, ほとんどの消毒剤は用途がかなり限定されている1). また, 人体に対する副作用が少ないと言われている緩和な消毒剤も手指消毒等に頻繁に使用することにより容易に手荒れなどが出現する2). 低濃度の食塩水を電気分解して得られる水(以下, 超酸化水)はpH2.7以下, 酸化環元電位1000mV以上, 遊離塩素30ppm以上の規格でin vitroではHBVやHIVをはじめ, ほとんどすべての微生物に対して短時間で十分な殺菌効果を示すと報告されている3-5).
ISSN:0389-9098
2185-9477
DOI:10.5649/jjphcs1975.21.525