患者が受け持ちを承諾するまでの意志決定パターンに関する研究

本研究の目的は,精神看護学実習において患者が受け持ちを承諾するまでの意志決定に至る心理の構成要因とその類型を明らかにすることである。対象は社会復帰病棟に入院中であり,受け持ちになることを承諾した複数回の経験を持ち調査同意の得られた10人である。参加観察および半構成的面接を行い質的帰納的研究を行った。その結果,1)受け持ちを承諾するまでの患者の意志決定に至る心理の構成要因は【学生のケアに対する満足感】【看護学実習への期待】【看護学実習に対する責任の重圧】【学生の看護技術の未熟さ】の4つのカテゴリと8サブカテゴリが抽出された。2)受け持ちを承諾した患者の意志決定に至る類型は,肯定型,妥協型,混在型...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 28; no. 5; pp. 5_97 - 5_103
Main Author 藤野, 成美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 01.12.2005
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Summary:本研究の目的は,精神看護学実習において患者が受け持ちを承諾するまでの意志決定に至る心理の構成要因とその類型を明らかにすることである。対象は社会復帰病棟に入院中であり,受け持ちになることを承諾した複数回の経験を持ち調査同意の得られた10人である。参加観察および半構成的面接を行い質的帰納的研究を行った。その結果,1)受け持ちを承諾するまでの患者の意志決定に至る心理の構成要因は【学生のケアに対する満足感】【看護学実習への期待】【看護学実習に対する責任の重圧】【学生の看護技術の未熟さ】の4つのカテゴリと8サブカテゴリが抽出された。2)受け持ちを承諾した患者の意志決定に至る類型は,肯定型,妥協型,混在型の3パターンが存在していた。これらのことから患者の意志決定を尊重する看護の重要性,患者が受け持ちを承諾する経緯を知ることがより対象者の理解につながることが示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20050809009