飼料イネと飼料用米の今後の展望

米(イネ)を家畜飼料として利用する研究は,米の生産調整と密接な関係をもちながら進められてきた。特に本格的にプロジェクト研究として始まったのは1999年以降である。このプロジェクト研究では,イネをホールクロップサイレージ(以下,イネWCSまたはWCS用イネ)として利用するための研究が中心であり,専用品種の育成から栽培管理技術,収穫調製技術や保管技術,家畜への給与技術までの総合的で体系的な研究が行われた。その後も,継続的なプロジェクト研究が行われ,2010年からは,「自給飼料を基盤とした国産畜産物の高付加価値化技術の開発(略称: 国産飼料プロ)」研究が開始されている。本プロジェクト研究では,イネW...

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Published in農業食料工学会誌 Vol. 76; no. 5; pp. 365 - 370
Main Author 浦川, 修司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 農業食料工学会 01.09.2014
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ISSN2188-224X
2189-0765
DOI10.11357/jsamfe.76.5_365

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Summary:米(イネ)を家畜飼料として利用する研究は,米の生産調整と密接な関係をもちながら進められてきた。特に本格的にプロジェクト研究として始まったのは1999年以降である。このプロジェクト研究では,イネをホールクロップサイレージ(以下,イネWCSまたはWCS用イネ)として利用するための研究が中心であり,専用品種の育成から栽培管理技術,収穫調製技術や保管技術,家畜への給与技術までの総合的で体系的な研究が行われた。その後も,継続的なプロジェクト研究が行われ,2010年からは,「自給飼料を基盤とした国産畜産物の高付加価値化技術の開発(略称: 国産飼料プロ)」研究が開始されている。本プロジェクト研究では,イネWCSの研究に加え,籾または玄米(以下,飼料用米)を濃厚飼料として積極的に利用するための技術開発も行われている。米の生産調整政策については,5年後の2018年に廃止する方向で検討が進められており,米政策が大きく転換する中,水田を有効に活用し,飼料自給率の向上を図るために重要な作物として位置づけられているイネWCSおよび飼料用米について,これまでの技術開発の経緯と課題を整理し,今後の展望を考える。
ISSN:2188-224X
2189-0765
DOI:10.11357/jsamfe.76.5_365