パターン識別を用いた筋電信号自動調整処理の効果
筋電義手の操作習得には医療専門職の元で訓練を行う必要があるが時間は限られており,訓練の時間最大化にはセンサの調整時間が最小限となることが望ましい.市販の義手用筋電センサでは感度調整は専用ソフトウエアや経験を要すことが使用継続の課題であり,本研究は第三者の介入による調整が低頻度でも,安定して動作する筋電義手用のセンサ信号処理法の開発を目的とする.本研究では筋電信号の特徴識別をベースとする感度調整法として品質工学のRT法を用い,従来のように義手使用者の随意的筋活動を誘導,確認しながら調整するのではなく,脱力・安静時の筋電を用いて筋活動の度合を安静時との相違度として算出する.基準を求めるサンプルデー...
Saved in:
Published in | 生体医工学 Vol. Annual59; no. Proc; pp. 713 - 715 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2021
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual59.713 |
Cover
Summary: | 筋電義手の操作習得には医療専門職の元で訓練を行う必要があるが時間は限られており,訓練の時間最大化にはセンサの調整時間が最小限となることが望ましい.市販の義手用筋電センサでは感度調整は専用ソフトウエアや経験を要すことが使用継続の課題であり,本研究は第三者の介入による調整が低頻度でも,安定して動作する筋電義手用のセンサ信号処理法の開発を目的とする.本研究では筋電信号の特徴識別をベースとする感度調整法として品質工学のRT法を用い,従来のように義手使用者の随意的筋活動を誘導,確認しながら調整するのではなく,脱力・安静時の筋電を用いて筋活動の度合を安静時との相違度として算出する.基準を求めるサンプルデータと処理法の関係を調査するため, サンプルデータのSN比と感度の平均からRT法の基準を作成し,RT法処理により基準とサンプルデータの相違度を求め,その標本標準偏差と識別率の関係を,RT法の特徴量数が10,30,50個の場合で比較した.5名の被験者の結果では,特徴項目の個数による識別率の増減傾向が,偏差の増減により予測できることはなく,被験者により傾向が異なることが確認された.一部の被検者では特徴量数30個で相違度の偏差が高くなると識別率が増加する傾向があったが,サンプルデータの質を予測しうる指標を再度検討する. |
---|---|
ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual59.713 |