CTにおける深層学習再構成画像の画質と再構成FOVの関係

本研究では小児の体幹部造影computed tomography(CT)を想定し,再構成field of view(FOV)や撮影線量などを実際の撮影と同様にして従来の画像再構成法と深層学習再構成法(deep learning reconstruction: DLR)の画質を比較した.検討項目は画像雑音標準偏差(standard deviation: SD),noise power spectrum(NPS),task-based modulation transfer function(TTF)である.DLRは,鮮鋭性を保ちながら画像雑音を低減し,その効果は再構成FOVの大きさに対して従来の...

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Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 78; no. 10; pp. 1158 - 1166
Main Authors 小田桐, 香菜子, 小野寺, 崇, 高野, 博和, 茅野, 伸吾, 坂本, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 2022
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Summary:本研究では小児の体幹部造影computed tomography(CT)を想定し,再構成field of view(FOV)や撮影線量などを実際の撮影と同様にして従来の画像再構成法と深層学習再構成法(deep learning reconstruction: DLR)の画質を比較した.検討項目は画像雑音標準偏差(standard deviation: SD),noise power spectrum(NPS),task-based modulation transfer function(TTF)である.DLRは,鮮鋭性を保ちながら画像雑音を低減し,その効果は再構成FOVの大きさに対して従来の再構成法とは異なる依存性を示した.SDは再構成FOV 320 mmから240 mmの間では段階的に増加したが,240 mmと200 mmにおいてほとんど変化がなかった.一方で,NPSでは大きく挙動が異なっていた.200 mm,240 mmの両者ともに280 mm,320 mmに比べてピーク周波数よりも高周波側の成分が高くなったが,240 mmを含む他の再構成FOVサイズと比較して0.5 cycle/mm以下の周波数成分が低減し,更に320 mmではピーク周波数が低周波側に移動した.TTFについては,従来の再構成法と比較してもDLRが最も高値を示した.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.2022-1228