水蒸気の凝縮熱を利用した環境保全型水稲種子消毒技術に関する研究

農薬を用いない環境保全型水稲種子消毒技術の能率向上と低コスト化を目的に,水蒸気加熱による水稲種子消毒技術を検討した。本技術は,水蒸気の凝縮を利用して種子表面近傍を高温短時間で湿熱処理すること,慣行の温湯浸漬消毒と比べ,冷却·乾燥処理を簡素化することをねらいとする。 水稲種子の発芽率に悪影響を及ぼすことなく高い殺菌効果を得られる条件を検討した結果,「気流温度200°C,気流湿球温度80°C,加熱時間2s,加熱流速1.8m/sで加熱後,常温通風による60s以上の通風冷却」を適処理条件と見出した。同条件の水稲種子消毒効果は,いもち病,もみ枯細菌病に対して温湯浸漬消毒と同等であった。...

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Published in農業食料工学会誌 Vol. 76; no. 6; pp. 555 - 563
Main Authors 井上, 保, 日髙, 靖之, 野田, 崇啓, 伊與田, 浩志, 横江, 未央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 農業食料工学会 01.11.2014
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ISSN2188-224X
2189-0765
DOI10.11357/jsamfe.76.6_555

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Summary:農薬を用いない環境保全型水稲種子消毒技術の能率向上と低コスト化を目的に,水蒸気加熱による水稲種子消毒技術を検討した。本技術は,水蒸気の凝縮を利用して種子表面近傍を高温短時間で湿熱処理すること,慣行の温湯浸漬消毒と比べ,冷却·乾燥処理を簡素化することをねらいとする。 水稲種子の発芽率に悪影響を及ぼすことなく高い殺菌効果を得られる条件を検討した結果,「気流温度200°C,気流湿球温度80°C,加熱時間2s,加熱流速1.8m/sで加熱後,常温通風による60s以上の通風冷却」を適処理条件と見出した。同条件の水稲種子消毒効果は,いもち病,もみ枯細菌病に対して温湯浸漬消毒と同等であった。
ISSN:2188-224X
2189-0765
DOI:10.11357/jsamfe.76.6_555