トヨタ記念病院における臨床指標への取り組み

医療の質の向上を戦略的に継続して行っていく上で、臨床指標 (以下CI) の活用は欠かせないと考える。しかしながら、どんなCIが自施設に必要なのか、さらには具体的にどのように質の向上に活用していくのかは大きな課題である。また日々蓄積される膨大な医療情報の中から必要なデータを抽出し、CIとして公表することは容易ではなく、多大な労力を要することも問題である。2005年6月にCIの必要性や当院における考え方を院内職員に啓蒙後、トップダウンにより各部署へその提出を求めた。提出に当たっては医療情報マネジメントグループが各部署とヒアリングを行い、CIに関する情報提供とともに各指標の定義・目的などを設定し管理...

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Bibliographic Details
Published in日本医療マネジメント学会雑誌 Vol. 8; no. 2; pp. 375 - 380
Main Authors 稲垣, 春夫, 岡本, 泰岳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会 01.09.2007
日本医療マネジメント学会
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ISSN1881-2503
1884-6807
DOI10.11191/jhm2006.8.375

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Summary:医療の質の向上を戦略的に継続して行っていく上で、臨床指標 (以下CI) の活用は欠かせないと考える。しかしながら、どんなCIが自施設に必要なのか、さらには具体的にどのように質の向上に活用していくのかは大きな課題である。また日々蓄積される膨大な医療情報の中から必要なデータを抽出し、CIとして公表することは容易ではなく、多大な労力を要することも問題である。2005年6月にCIの必要性や当院における考え方を院内職員に啓蒙後、トップダウンにより各部署へその提出を求めた。提出に当たっては医療情報マネジメントグループが各部署とヒアリングを行い、CIに関する情報提供とともに各指標の定義・目的などを設定し管理を行った。CI算出に必要なデータの収集や解析に伴う多大な労力を減少させるため、電子カルテ機能とData Ware Houseシステムを利用した。2006年12月現在、56指標を定期的に算出し、電子カルテ端末を利用して院内職員に広く公表している。CIの向上を目標に、各部署において具体的な取り組みがなされるようになった。またそれに伴いアウトカム指標に大きく影響するプロセス指標の院内エビデンスが見出される事例も認めた。
ISSN:1881-2503
1884-6807
DOI:10.11191/jhm2006.8.375