新しいコラーゲン線維膜のGTR法への応用に関する研究第1報新しいコラーゲン線維膜の試作

現在GTR法に用いられている生体内非吸収性の膜に代わり, 生体内吸収性のGTR用コラーゲン線維膜を開発する目的で, コラーゲン膜を試作し, 生体内吸収状態についてラットを用いて基礎実験を行った。まず, コラーゲン線維膜の吸収速度を遅くするためにヘキサメチレンジイソシアネート (HMDIC) による人工的架橋を導入し, 処理濃度により吸収速度の調節を試みた。その結果, ラット背部皮下においては10% HMDIC処理コラーゲン線維膜は4週まで吸収されなかった。しかし, 上顎第1臼歯口蓋側歯肉に埋入し, 歯肉内での吸収状態を観察した結果, 2週間以内で吸収されていた。そこで, さらに4℃, 48時間...

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Published in日本歯周病学会会誌 Vol. 33; no. 4; pp. 864 - 871
Main Authors 加藤, 熈, 熱田, 勤, 久保木, 芳徳, 奥口, 真澄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1991
日本歯周病学会
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ISSN0385-0110
1880-408X
DOI10.2329/perio.33.864

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Summary:現在GTR法に用いられている生体内非吸収性の膜に代わり, 生体内吸収性のGTR用コラーゲン線維膜を開発する目的で, コラーゲン膜を試作し, 生体内吸収状態についてラットを用いて基礎実験を行った。まず, コラーゲン線維膜の吸収速度を遅くするためにヘキサメチレンジイソシアネート (HMDIC) による人工的架橋を導入し, 処理濃度により吸収速度の調節を試みた。その結果, ラット背部皮下においては10% HMDIC処理コラーゲン線維膜は4週まで吸収されなかった。しかし, 上顎第1臼歯口蓋側歯肉に埋入し, 歯肉内での吸収状態を観察した結果, 2週間以内で吸収されていた。そこで, さらに4℃, 48時間透析により太い線維からなる強化コラーゲン線維膜を作製し, その吸収性を検討した結果, 背部皮下で4週間, 歯肉内で2週間吸収されないことが確認された。以上から, 著者らの作製した強化コラーゲン線維膜はGTR法への応用の可能性が高いと考えられた。
ISSN:0385-0110
1880-408X
DOI:10.2329/perio.33.864