正常聴力成人における聴覚情報処理検査 (APT) に対する年齢および測定側の影響
要旨: 聴覚情報処理検査 (APT) の正常聴力成人の年代ごと, および検査側ごとの参考値を設定した。20-59歳の正常聴力成人53名の APT 結果から10歳ごとに分けた年代群別に 2SD 法で参考値を算出した。片耳ずつ行う検査は項目ごとの成績の優位側と劣位側で参考値を算出した。年代群によって統計的有意差があると判定された検査項目は八田-太田版 APT の両耳分離聴検査単音節検査, マルチトーカーノイズ下単音節検査のシグナル/ノイズ比+15dB, +10dB, +5dB, 小渕版 APT の両耳分離聴単音節検査, 2倍速早口音声検査の語中, 複数音声下聴取検査であった。左右別の検査成績では,...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 68; no. 1; pp. 65 - 74 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.02.2025
Japan Audiological Society |
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Summary: | 要旨: 聴覚情報処理検査 (APT) の正常聴力成人の年代ごと, および検査側ごとの参考値を設定した。20-59歳の正常聴力成人53名の APT 結果から10歳ごとに分けた年代群別に 2SD 法で参考値を算出した。片耳ずつ行う検査は項目ごとの成績の優位側と劣位側で参考値を算出した。年代群によって統計的有意差があると判定された検査項目は八田-太田版 APT の両耳分離聴検査単音節検査, マルチトーカーノイズ下単音節検査のシグナル/ノイズ比+15dB, +10dB, +5dB, 小渕版 APT の両耳分離聴単音節検査, 2倍速早口音声検査の語中, 複数音声下聴取検査であった。左右別の検査成績では, ほとんどの参加者が右利きであったにも関わらず検査成績の優位側は左右ほぼ同数であった。以上より, APT には年代ごとの基準値を設定すること, 片耳ずつ行う検査の基準値は検査項目ごとの優位側劣位側で分けて設定することが妥当と考えられ, 新しい参考値を提案した。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.68.65 |