耳鼻咽喉科学の卒後手術教育に関する 「技術の可視化」 の研究

社会的に 「可視化」 が推奨されているなか, 医療分野も例外ではない。しかし, 耳鼻咽喉科の卒後教育において概要は存在するが具体的な教育内容は現場の裁量にまかされていた。我々が以前行った若手医師への実績調査でも, 個人間で習得状況に差が生じており, 早い段階から専門性が濃くなる傾向であった。そのため, 我々は質が担保され, かつ技術レベルの高い耳鼻咽喉科医師を育てるための教育方法として 「技術の可視化」 システムを開発し, 耳鼻咽喉科の主な手術を習得目標年数で分類し, それぞれに対して目標執刀数を定めた。それをもとに若手医師の手術実績を調査した。その結果, 基本的な5年目標手術習得は入局後2~...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 56; no. 5; pp. 245 - 252
Main Authors 櫻井, 結華, 山崎, ももこ, 小宮, 清, 鴻, 信義, 小島, 博己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 2013
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Summary:社会的に 「可視化」 が推奨されているなか, 医療分野も例外ではない。しかし, 耳鼻咽喉科の卒後教育において概要は存在するが具体的な教育内容は現場の裁量にまかされていた。我々が以前行った若手医師への実績調査でも, 個人間で習得状況に差が生じており, 早い段階から専門性が濃くなる傾向であった。そのため, 我々は質が担保され, かつ技術レベルの高い耳鼻咽喉科医師を育てるための教育方法として 「技術の可視化」 システムを開発し, 耳鼻咽喉科の主な手術を習得目標年数で分類し, それぞれに対して目標執刀数を定めた。それをもとに若手医師の手術実績を調査した。その結果, 基本的な5年目標手術習得は入局後2~3年目での経験が重要であることが示唆された。またやや専門性の高い10年目標手術は, 急激に達成率が増加するのではなく, 緩やかな増加傾向を示した。今後もシステム発展のため研究を行っていく予定である。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.56.245