高齢の補聴器装用者と人工内耳装用者における環境音聴取 : 音響特性との関連性

要旨: 高齢難聴者の環境音聴取の実態を調べる目的で, 平均年齢が70歳代の補聴器群12名, 人工内耳群11名, 健聴者群15名を対象に環境音聴取課題を実施した。その結果, 補聴器および人工内耳群は, 健聴者群に比し正答率が有意に低下することが明らかになった。また, 補聴器群と人工内耳群の正答率に差はなく, 両群の環境音聴取には共通の特徴があると考えられた。環境音聴取と音響特性との関連性については, 補聴器群と人工内耳群間に類似性を認め, 音圧変動特性では間欠音が, 振幅包絡特性では緩徐音が良好であり, 音響特性の違いが環境音の識別に影響する可能性が示唆された。...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 68; no. 1; pp. 56 - 64
Main Authors 高山, 渥也, 城間, 将江, 坂本, 圭, 小渕, 千絵, 松田, 帆, 池園, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.02.2025
Japan Audiological Society
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Summary:要旨: 高齢難聴者の環境音聴取の実態を調べる目的で, 平均年齢が70歳代の補聴器群12名, 人工内耳群11名, 健聴者群15名を対象に環境音聴取課題を実施した。その結果, 補聴器および人工内耳群は, 健聴者群に比し正答率が有意に低下することが明らかになった。また, 補聴器群と人工内耳群の正答率に差はなく, 両群の環境音聴取には共通の特徴があると考えられた。環境音聴取と音響特性との関連性については, 補聴器群と人工内耳群間に類似性を認め, 音圧変動特性では間欠音が, 振幅包絡特性では緩徐音が良好であり, 音響特性の違いが環境音の識別に影響する可能性が示唆された。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.68.56