Bimodal Fitting を施行した人工内耳と補聴器の bimodal 装用例の音源定位の検討
要旨: 人工内耳 (以下 CI) と補聴器 (以下 HA) を併用するほとんどの bimodal 装用者は, 両耳聴効果による利点がある一方で, 音源定位において両側人工内耳及び両側補聴器装用者と比較して不良であると言われている5)。音源定位は, ILD (interaural level difference: 両耳間レベル差), ITD (interaural time difference: 両耳間時間差) が重要な役割を担っており, 今回は ITD における音源定位について検討した。bimodal 装用者では, CI と HA の信号処理速度の差異によって左右の時間差が存在する。すなわ...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 68; no. 1; pp. 49 - 55 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.02.2025
Japan Audiological Society |
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Summary: | 要旨: 人工内耳 (以下 CI) と補聴器 (以下 HA) を併用するほとんどの bimodal 装用者は, 両耳聴効果による利点がある一方で, 音源定位において両側人工内耳及び両側補聴器装用者と比較して不良であると言われている5)。音源定位は, ILD (interaural level difference: 両耳間レベル差), ITD (interaural time difference: 両耳間時間差) が重要な役割を担っており, 今回は ITD における音源定位について検討した。bimodal 装用者では, CI と HA の信号処理速度の差異によって左右の時間差が存在する。すなわち CI 側では聴神経が直接刺激され HA 側と比較して処理速度が速くなるため, 音源定位において不利になると考えられる5)。CI (MED-EL) と HA の組み合わせの場合, CI 処理速度は通常, HA 処理速度よりも3~10ミリ秒早くなることが知られており6), 現在CI処理速度を調整する Bimodal Fitting システムが, マッピングソフトに導入されている。今回, 3症例に対して Bimodal Fitting システムを用いて, CI 処理速度の調整前後に方向感検査を実施した。誤答のずれ (RMS 値) で評価し, 音源定位能力の改善の可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.68.49 |