下肢荷重力測定の再現性に関する研究―健常高齢者と障害高齢者の比較

目的:本研究では,健常高齢者と障害高齢者を対象に座位での下肢荷重力測定を実施し,得られた測定値の変動と測定値間の誤差の比較により,下肢荷重力測定の再現性について検討することとした.方法:対象は,健常高齢者17名(男性8名,女性9名,年齢71.8±6.1歳:mean±SD)をHealth群,障害高齢者43名(男性17名,女性26名,年齢80.2±8.7歳)をFunctional independence measure合計得点からLow群,High群に分類した.座位での下肢荷重力測定は,左右下肢各1回ずつの実施を1測定とし,各測定間に1分間の休憩を設けて計3回測定した.それぞれ得られた左右測定値...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 47; no. 1; pp. 70 - 74
Main Authors 久保, 晃, 原, 毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 01.01.2010
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ISSN0300-9173
DOI10.3143/geriatrics.47.70

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Summary:目的:本研究では,健常高齢者と障害高齢者を対象に座位での下肢荷重力測定を実施し,得られた測定値の変動と測定値間の誤差の比較により,下肢荷重力測定の再現性について検討することとした.方法:対象は,健常高齢者17名(男性8名,女性9名,年齢71.8±6.1歳:mean±SD)をHealth群,障害高齢者43名(男性17名,女性26名,年齢80.2±8.7歳)をFunctional independence measure合計得点からLow群,High群に分類した.座位での下肢荷重力測定は,左右下肢各1回ずつの実施を1測定とし,各測定間に1分間の休憩を設けて計3回測定した.それぞれ得られた左右測定値の和を体重で除して下肢荷重力体重比(%)に換算した.統計学的処理は,級内相関係数(以下ICCと略す)(1.3)と標準誤差(以下SEM略す)で測定値の変動,Bland-Altman分析で測定値間の誤差について比較,検討した.結果:対象者各群において測定値の変動は,高いICC(1.3)を示し,SEMは低い数値を示した.Bland-Altman分析の結果,Low群は1回目と3回目および2回目と3回目,High群では2回目と3回目の測定値間に加算,比例誤差が認められた.結論:座位での下肢荷重力測定は,対象者の運動機能や障害像に関係なく安定した測定値を得ることができ,臨床上1回ないし2回の測定から測定値を採択,評価することが望ましいと示唆された.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.47.70