洗浄血小板による非溶血性輸血副作用の回避

血漿成分輸血による即時型アレルギー・蕁麻疹の頻度はおよそ1~2%と, 比較的多く経験される1). 特に白血病などの血液疾患では頻回の血小板輸血が余儀なくされるため, その頻度はさらに高率となる. 輸血を続行しても致死的な合併症はまれであるが, 時に気管支攣縮や喉頭浮腫をきたしたり, また併用薬剤のアレルギーとの鑑別で問題となることもあり, 可能な限り回避が望まれる. 今回, 著者らは沖縄血液センターの協力のもとに洗浄血小板による非溶血性副作用の予防効果, およびその有効性について後方視的に検討したので報告する. II. 対象 1991年11月から1996年7月までの期間に琉球大学付属病院小児科...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 44; no. 3; pp. 396 - 398
Main Authors 百名, 伸之, 平山, 清武, 具志堅, 俊樹, 知名, 耕一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1998
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.44.396

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Summary:血漿成分輸血による即時型アレルギー・蕁麻疹の頻度はおよそ1~2%と, 比較的多く経験される1). 特に白血病などの血液疾患では頻回の血小板輸血が余儀なくされるため, その頻度はさらに高率となる. 輸血を続行しても致死的な合併症はまれであるが, 時に気管支攣縮や喉頭浮腫をきたしたり, また併用薬剤のアレルギーとの鑑別で問題となることもあり, 可能な限り回避が望まれる. 今回, 著者らは沖縄血液センターの協力のもとに洗浄血小板による非溶血性副作用の予防効果, およびその有効性について後方視的に検討したので報告する. II. 対象 1991年11月から1996年7月までの期間に琉球大学付属病院小児科で診療を行った悪性腫瘍, および血液疾患患児のうち, 洗浄血小板輸血を受けた33例を対象とした. 疾患の内訳は急性白血病21例, 固形腫瘍6例, 悪性リンパ腫3例, 再生不良性貧血2例, 組織球症1例であった. III. 方法 血小板輸血の適応は原則として日本輸血学会の使用基準2)に従い, 血小板数2万/μl以下あるいは活動性の出血を認める場合とした. また輸血に際し15Gyの放射線照射と白血球除去フィルター(Sepacell-PL)を用いた.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.44.396