聴覚過敏と片頭痛の関連性に対する知見
要旨: 聴覚過敏は, その発症機序の解明, 評価法, 治療法が確立していない。聴覚過敏に対する薬物治療の有効性を検討することを目的とした。対象はX年4月からX + 1年11月までに東海大耳鼻咽喉科を聴覚過敏を主訴に受診した15例, 男性9例女性6例, 平均年齢48.9 ± 17.5歳。罹患期間は19.7 ± 20.8カ月。これらに対して聴覚過敏の苦痛度, 抑うつ・不安, 原因疾患などについて検討し, 生活指導と初期薬物治療の治療効果について検討した。苦痛度, 抑うつ・不安は質問紙 (聴覚過敏スコア。(Hyperacusis Questionnaire: 以下 HQ スコア; カットオフ値16点...
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Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 68; no. 1; pp. 42 - 48 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.02.2025
Japan Audiological Society |
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Summary: | 要旨: 聴覚過敏は, その発症機序の解明, 評価法, 治療法が確立していない。聴覚過敏に対する薬物治療の有効性を検討することを目的とした。対象はX年4月からX + 1年11月までに東海大耳鼻咽喉科を聴覚過敏を主訴に受診した15例, 男性9例女性6例, 平均年齢48.9 ± 17.5歳。罹患期間は19.7 ± 20.8カ月。これらに対して聴覚過敏の苦痛度, 抑うつ・不安, 原因疾患などについて検討し, 生活指導と初期薬物治療の治療効果について検討した。苦痛度, 抑うつ・不安は質問紙 (聴覚過敏スコア。(Hyperacusis Questionnaire: 以下 HQ スコア; カットオフ値16点), HADS 日本語版) を用いて評価した。治療にはアミトリプチリン, クロナゼパム, バルプロ酸を同時に投与した。4週間後に評価を行った。HQ スコアは治療前20.5 ± 7.1点が治療後14.1 ± 5.6点と有意に低下した。不安・抑うつは有意な変化を認めなかった。薬物治療によって抑うつ・不安の有無にかかわらず, 聴覚過敏症状そのものが改善した症例もあった。 |
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ISSN: | 0303-8106 1883-7301 |
DOI: | 10.4295/audiology.68.42 |