動脈硬化性疾患におけるvon Willebrand因子とantithrombin IIIに関する研究

急性期心筋梗塞(AMI)26例, 陳旧性心筋梗塞(MI)22例, 狭心症19例, 脳梗塞13例の計80例にvon Willebrand因子(vWF), VIII因子活性, antithrombin III (AT III)を測定し, 44例の正常対照と比較した. VIII因子活性とvWFは年令と有意な(P<0.05)相関が認められた. AMI, MI, 脳梗塞のvWFは, 同年令層の正常人に比較し有意な高値を示した. (p<0.05). VIII因子活性は, 高値傾向がみられたが, 正常人と有意差は認められなかつた. ATIIIは, MIと脳梗塞で有意な(p<0.05)低値を...

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Published in医療 Vol. 42; no. 2; pp. 168 - 172
Main Author 国立病院動脈硬化症研究班
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1988
国立医療学会
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.42.168

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Summary:急性期心筋梗塞(AMI)26例, 陳旧性心筋梗塞(MI)22例, 狭心症19例, 脳梗塞13例の計80例にvon Willebrand因子(vWF), VIII因子活性, antithrombin III (AT III)を測定し, 44例の正常対照と比較した. VIII因子活性とvWFは年令と有意な(P<0.05)相関が認められた. AMI, MI, 脳梗塞のvWFは, 同年令層の正常人に比較し有意な高値を示した. (p<0.05). VIII因子活性は, 高値傾向がみられたが, 正常人と有意差は認められなかつた. ATIIIは, MIと脳梗塞で有意な(p<0.05)低値を示した. AMIでは, vWFの異常高値を示した群が, 正常人と比較し有意な(p<0.01)低値を認めた. vWFの高値は, AMIと脳梗塞の死亡の危険因子と考えられ, また動脈硬化の進展の有用なマーカーと考えられ, 予後の推定に役立つと考えられる. AT III活性の低下は, 消費によるものと考えられる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.42.168